本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
ソクタ
「三角関数」って聞くだけで身構える…測量でも必要なの?
「θ(シータ)やΣを見た瞬間、アレルギーが出る」。
「サイン、コサインって何のこと?もう習った記憶もない」。
測量士補の勉強でそう感じて、計算問題を丸ごと後回しにしていませんか。
実は同じところでつまずく人はとても多く、「三角関数の問題は適当に塗って終わった」という声も珍しくありません。
でも、測量の三角関数でやっていることは、たった一つ。斜めの距離を「縦(高さ)」と「横(水平距離)」に分けているだけです。
図で一度つかめば、sinとcosのどちらを使うかで迷わなくなり、測量で三角関数が「何を出すための道具か」もイメージできます。
こんな人に向けて書きました
「数学が苦手で三角関数を見ると身構える」「sinとcosのどっちを使うか毎回迷う」「測量で三角関数を何に使うのか分からない」。そんな人へ向けた記事です。公式の暗記ではなく「斜めを縦と横に分ける」という一つの考え方で、座標と高さの計算までつなげて整理します。
三角関数(sin・cos・tan)は、測量の計算の土台です。むずかしそうに見えますが、測量で使う場面は「斜めに測った距離を、縦と横に分ける」ことに集約されます。
一言でいうと、三角関数は「斜めの線(斜距離)と角度が分かっているとき、縦(高さ)と横(水平距離)を計算で出す道具」です。sin・cosのどちらを使うかは、測った角の「隣辺(となり)」か「対辺(むかい)」かで決まります。
計算そのものが苦手なら、先に測量士補の計算問題の解法パターンで頻出の型に目を通しておくと、この先がぐっと読みやすくなります。
現場で直接測れるのは、たいてい斜めの距離と角度です。
一方で、図面や成果に必要なのは水平距離・標高(高さ)・座標という「縦と横」の値です。
この「斜めで測ったもの」を「縦と横」に変換する橋渡しが、三角関数の役割です。
斜めの距離+角度 → 縦(高さ)と横(水平距離)に分ける。これが測量での三角関数のすべて。
直角三角形で、注目する角を θ とします。斜辺(斜めの線)を S とすると、辺の長さは次のように書けます。
対辺(角の向かいの辺)= S × sinθ
隣辺(角のとなりの辺)= S × cosθ
tanは「対辺 ÷ 隣辺(=sinθ÷cosθ)」で、傾きを表します。
「sinとcosのどっち?」で迷うのは、覚え方が定まっていないからです。
迷ったら、図を描いて注目する角に印をつけ、「隣辺=cos/対辺=sin」と当てはめれば必ず決まります。
試験では電卓が使えないので、sin・cosの数値は問題末尾の関数表から読み取ります。表の引き方は関数表の使い方で確認できます。
多角測量(トラバース)では、ある点から次の点への方向角θと距離Sから、座標の差(南北方向=ΔX、東西方向=ΔY)を求めます。
ここが最大の注意点です。測量の方向角は「北(縦・X軸)」から時計回りに測ります。数学の授業で習う「横(x軸)から」とは基準が違います。
そのため、注目する角(方向角)の隣辺は「北(縦)」、対辺は「東(横)」になります。ルール「隣辺=cos/対辺=sin」を当てはめると、こうなります。
緯距 ΔX(南北)= S × cosθ
経距 ΔY(東西)= S × sinθ
実際の過去問で確認(令和6年 No.6)
点A(X=−800.00m、Y=+1,100.00m)から、方向角305°・距離1,000.00mの新点Bの座標を求めます。
ΔX = 1,000 × cos305° = 1,000 × 0.57358 = +573.58m
ΔY = 1,000 × sin305° = 1,000 ×(−0.81915)= −819.15m
XB = −800.00 + 573.58 = −226.42m、YB = +1,100.00 −819.15 = +280.85m
方向角が270°〜360°(北西より東寄りの向き)だと、cosは+・sinは−になります。符号は「図のどちら向きに進むか」で決まるので、まず図を描くのが安全です。
座標と距離の関係をもっと丁寧に見たい人は、座標から距離・方向角を求める計算とトラバース測量の方向角の求め方もどうぞ。
トータルステーション(TS)では、斜距離Sと高低角α(水平線からの上向きの角)から、高低差と水平距離を求めます。
高低角αは水平線(横)から測るので、隣辺は「水平距離(横)」、対辺は「高低差(縦)」です。ルールを当てはめると、こうなります。
高低差(縦)= S × sinα
水平距離(横)= S × cosα
実際の過去問で確認(令和5年 No.7)
既知点A(標高10.00m)から、斜距離1,000m・高低角11°で新点Bを観測しました(sin11°=0.19081)。
高低差 = 1,000 × sin11° = 1,000 × 0.19081 = 190.81m
これに器械高・目標高を足し引きして、新点Bの標高は約 200.71m と求まります。
座標では「北=cos」、高さでは「高低差=sin」。どちらも「測った角の隣辺=cos/対辺=sin」で説明できます。
高さの計算の続きは、水平距離と鉛直角の観測で確認できます。
「解説を読んでも、なぜこの式になるのか腹落ちしない」。独学だと、つまずいた1点を質問できずに止まりがちです。
手順から教えてくれる通信講座で不安を減らす手もあります。合格率の実績で選ぶ人が多いアガルート測量士補講座の評判・合格率も参考にしてみてください。
その前に独学での戦い方を知りたい人は、数学が苦手でも合格できる?必要なレベルと合格戦略もあわせてどうぞ。
三角形の形が直角でないときは、正弦定理・余弦定理で辺や角を求めます。面積は「½ × 2辺 × 間の角のsin(S=½ab・sinC)」で出せます。
使い分けは「向かい合う辺と角の組があれば正弦定理」「2辺と間の角・3辺なら余弦定理」。ここは1本にまとめてあるので、詳しくはこちらへ。
測量士補試験は電卓の持ち込みができません。そのため、sin・cosの値は問題末尾の関数表から読み取り、割り算やルートは手計算(筆算)で進めます。
「割り算のひっ算が終わらない」という不安はよく聞きますが、出てくる型は限られています。土台になる知識は、次の記事で押さえられます。
混同しやすいところ
sinとcos、どっちを使う?
注目する角の「対辺(向かいの辺)=sin」「隣辺(となりの辺)=cos」。図を描いて角に印をつければ、迷いません。
数学の座標と測量の座標
数学は横(x軸)から角度を測り、測量は北(縦・X軸)から測ります。だから座標計算では「北=cos」になり、数学の感覚と逆に見えます。
方向角と方位角
方向角は座標北(X軸)からの右回り、方位角は真北からの右回り。基準が違う点に注意します。
この記事の考え方が、そのまま使えます。
問題:直角三角形で、注目する角θの「対辺(向かいの辺)」は、斜辺S×cosθで求められる。
〇か×か。
答え:×
対辺は S×sinθ です。隣辺が S×cosθ。「対辺=sin/隣辺=cos」で覚えます。
問題:方向角θ・距離Sのとき、南北方向の座標差(緯距ΔX)は S×sinθ である。
〇か×か。
答え:×
方向角は北(縦)から測るので、北方向のΔXは「隣辺(となり)=cos」で ΔX=S×cosθ。東方向のΔYが S×sinθ です。
問題:斜距離1,000m、高低角11°(sin11°=0.19081)のとき、高低差は何mか。
答え:高低差=1,000×sin11°=1,000×0.19081=190.81m(令和5年 No.7)。
今回は測量士補で使う三角関数(sin・cos・tan)を整理しました。
やっていることは「斜めに測った距離を、縦と横に分ける」だけ。迷ったら「測った角の隣辺=cos/対辺=sin」を図に当てはめれば決まります。
座標なら「北=cos/東=sin」、高さなら「高低差=sin/水平距離=cos」。この2つを押さえれば、計算問題の入口はもう怖くありません。
次は、実際の数値の引き方や個別の型を見ていきましょう。
sin・cosの選び方や符号で手が止まるなら、演習量を確保できるテキスト・過去問集の選び方や、手順から教わる通信講座おすすめ比較もどうぞ。数学のやり直しには、冒頭で紹介した『明快!よくわかる数学』も定番です。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年7月
スキマ時間に
おすすめ書籍
数学のやり直し+テキストで基礎固め。価格・在庫は各ページで確認
試験での問われ方|ソクタの一言
三角関数の問題は、公式そのものより「どの角の、隣辺(となり)・対辺(むかい)か」を図で押さえられるかで差がつきます。問題用紙の図に、分かっている距離と角を書き込み、注目する角に印をつけるクセをつけましょう。
覚える形は実質、座標なら「北=cos/東=sin」、高さなら「高低差=sin/水平距離=cos」。どちらも「隣辺=cos/対辺=sin」から導けます。