ソクタ
座標の値から面積が計算できるって知っていましたか?座標法の計算の仕組みをここで整理します。
この記事の要点
面積計算の座標法とは、各頂点の座標値から多角形の面積を計算する方法です。ガウスの公式(梯形公式)の考え方を測量士補試験向けに解説します。
座標法では、各頂点のX・Y座標をガウスの公式に代入するだけで面積が求まります。
公式の意味と三斜法との違いをここで整理しましょう。
座標法とは、多角形(土地の区画など)の各頂点の座標値(X座標・Y座標)を使って面積を計算する方法です。
現地で各頂点の座標を測量で求め、その数値だけで計算できるため、複雑な形状の土地でも精度よく面積を算出できます。
ザックリ言うと、座標値から多角形の面積を一発で計算するガウスの公式(座標法)の話です。「Excelの数式に座標を入れたら面積が自動で出てくる」みたいなイメージです。
座標法では、多角形の各頂点を順番に座標として並べ、隣り合う頂点のX・Y座標の組み合わせから面積を計算します。
図形を三角形や台形に分割する必要がなく、座標値を公式に代入するだけで面積が求まります。
特に測量士補試験では、4点や5点程度の多角形の面積計算問題が出題されます。
座標法はこのような問題に直接対応できる手法です。
座標法で使うガウスの公式(梯形公式とも呼ばれる)は次の形です。
応用測量の作業方法は、作業規程の準則(下図)の第5編に規定されています。
2S = Σ Xi × (Yi+1 − Yi−1)
(S:面積、Xi:各頂点のX座標、Yi:各頂点のY座標)
この式の意味は、各頂点のX座標に「その頂点の次の頂点のY座標と前の頂点のY座標の差」をかけてすべて足し合わせ、絶対値をとって2で割ると面積が求まる、というものです。
頂点を一周(閉じた多角形)するように計算します。
公式を丸暗記するより「頂点を順番に並べてX・Yをかけ合わせる操作を繰り返す」という流れを理解しておくと計算ミスが減ります。
どちらも多角形の面積計算に使いますが、アプローチが異なります。
| 項目 | 座標法 | 三斜法 |
|---|---|---|
| 手法 | 頂点の座標値から公式で直接計算 | 多角形を三角形に分割して各面積を合計 |
| 使いやすさ | 座標がわかれば計算できる | 辺長・高さが必要な場合がある |
| 試験での扱い | 座標値が与えられる計算問題 | 三角形の底辺・高さが与えられる問題 |
座標法は現代の測量では主流の方法で、計算結果が一意に定まる点で精度面でも優れています。
令和5年第27問(計算:用地測量)では、境界点A・B・C・Dの座標値から座標法でABCD面積(440㎡)を求め、道路拡幅後の新境界線PQを設定し、PQCD面積を求める計算問題が出題されています(正答:382㎡)。この問題の詳細は下記例題で解説しています。
「座標法は各頂点のX・Y座標からガウスの公式で面積を直接計算、三斜法は三角形分割で計算」という両手法の違いも基礎知識として押さえておきましょう。
混同しやすい用語
座標法 ↔ 三斜法
座標法は座標値から公式で面積を直接計算、三斜法は多角形を三角形に分割して合計する方法。
使うデータ(座標 vs 辺長・高さ)が異なる。
座標法 ↔ 実測面積
座標法は計算による面積(理論値)、実測面積は現地での直接測定による面積。
測量では座標から算出した値を用いる。
境界点A、B、C、Dで囲まれた四角形の土地について、座標値が下表のとおりである。道路①が拡幅され、直線ABに平行な新境界線PQが引かれた。ただしPQはABから2m内側に引く。点P、Q、C、Dで囲まれた四角形の面積はいくらか。
※ この問題は令和5年測量士補試験 第27問の実数値をそのまま使用しています。
| 境界点 | X座標(m) | Y座標(m) |
|---|---|---|
| A | -25.000 | -10.000 |
| B | +5.000 | -10.000 |
| C | -21.000 | +16.000 |
| D | -25.000 | +15.000 |
選択肢:1. 368 m² 2. 382 m² 3. 440 m² 4. 476 m² 5. 502 m²
【ステップ1】ガウスの公式で四角形ABCDの面積を求める
2S = XA(YB−YD) + XB(YC−YA) + XC(YD−YB) + XD(YA−YC)
= (−25)×(−10−15) + 5×(16−(−10)) + (−21)×(15−(−10)) + (−25)×(−10−16)
= (−25)×(−25) + 5×26 + (−21)×25 + (−25)×(−26)
= 625 + 130 − 525 + 650 = 880
S(ABCD) = 880 ÷ 2 = 440 m²
【ステップ2】新境界線PQの座標を求める
ABはY=−10の水平線。PQはABに平行で2m離れているのでY=−8の線。
P:直線ADはX=−25の垂直線(AもDもX=−25)→ Y=−8で交わる → P(−25,−8)
Q:直線BC上(B(5,−10)からC(−21,16))でY=−8となる点を求める。
パラメータt:Y=−10+26t=−8 → t=2/26=1/13
X=5+(−21−5)×(1/13)=5−2=3 → Q(3,−8)
PQ=3−(−25)=28m、AB=5−(−25)=30m
【ステップ3】台形ABQPの面積を求める
台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2=(30+28)×2÷2=58 m²
【ステップ4】四角形PQCDの面積を計算する
PQCD = ABCD − ABQP = 440 − 58 = 382 m²
各選択肢の確認
選択肢1(368 m²):ABQP=(440−368)=72 m²のはずだが、(30+28)×2÷2=58≠72 →×
選択肢2(382 m²):ABQP=(440−382)=58 m²=(30+28)×2÷2=58 → ✓ 正解
選択肢3(440 m²):四角形ABCD全体の面積で、拡幅部分ABQPを引いていない →×
選択肢4(476 m²):476>440(PQCD全体が四角形ABCDより大きくなるのは不可)→×
選択肢5(502 m²):502>440(同上、ABCD全体より大きくなるのは不可)→×
答え:選択肢2(382 m²)
問題:座標法では、多角形の各頂点の座標値を使って面積を計算する。
〇か×か。
答え:〇
座標法はガウスの公式を使い、各頂点のX・Y座標から面積を直接計算します。
問題:三斜法は、多角形を三角形に分割して各三角形の面積を合計する方法である。
〇か×か。
答え:〇
三斜法は多角形を複数の三角形に分割し、それぞれの面積(底辺×高さ÷2)を合計します。
問題:座標法で求めた面積は、多角形の頂点数が増えると使えなくなる。
〇か×か。
答え:×
座標法は頂点数に関わらず一定の公式で計算できます。頂点数が多い複雑な形状でも同様に適用できます。
今回は面積計算の座標法について説明しました。
座標法は各頂点のX・Y座標からガウスの公式で面積を求める方法で、三斜法と並ぶ主要な面積計算手法です。
複雑な形状の土地でも座標値さえ求まれば精度よく計算できます。
試験では公式の意味を理解し、座標値を正確に代入する練習をしておくことが重要です。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
座標法の計算問題は座標値の読み取りミスに注意が必要です。
X座標とY座標を逆に読んだり、頂点の順序を間違えたりするとまったく異なる答えになります。
ガウスの公式は「一定の手順を正確に追う」計算なので、公式の意味を理解してから練習問題を繰り返すのが近道です。