この記事の要点
トラバース測量での方位角の求め方を解説します。北を基準に時計回りで測る0〜360度の方位角を、前の測線に観測角を加減して順番に求める連続計算の手順を測量士補向けに整理します。
トラバース計算では、方位角を使って各測点の座標を順番に求めていきます。
このページは方位角の求め方(連続計算)を中心に整理します。方位角と方向角の違いは方位角と方向角の違いの記事で解説しています。
方位角とは、北(真北)を0度の基準として、時計回りに測った0度から360度の角度のことです。
トラバース計算では、既知点間の初期方位角から出発して、各測点で観測した角度を加減することで次の測線の方位角を順番に求めていきます。
この「方位角の連続した計算」がトラバース座標計算の核心です。
一言でいうと、多角測量で各辺の方位角を順番に計算していく手順の話です。前の方位角に測定した水平角を足し引きして次の方位角を求めます。積み木のように積み上げて、最終的に出発点の方位角に戻ります。
方位角は真北(または座標北)を基点として時計回りに測ります。
北が0度、東が90度、南が180度、西が270度です。
360度で一周します。
負の値はとらず、360度を超えた場合は360度を引いて0〜360度の範囲に収めます。
測量では「真北方位角」「磁北方位角」「座標北方位角(格子方位角)」の区別があります。
測量計算では基本的に座標北(平面直角座標系の北方向)を基準とします。
トラバース計算では、ある測線の方位角がわかれば緯距(ΔX)と経距(ΔY)を計算できます。
作業規程の準則(下図)では、観測精度の区分が定められています。
距離をL、方位角をαとすると、ΔX=L×cosα、ΔY=L×sinαで求めます。
この計算を全測線に繰り返すことで各新点の座標を求めます。
方位角と方向角は似た言葉ですが、基準が異なります。
| 項目 | 方位角 | 方向角 |
|---|---|---|
| 基準方向 | 真北(座標北) | 任意の基準方向 |
| 範囲 | 0〜360度 | 定義による |
| 試験でのポイント | 北基準・時計回り・0〜360度 | 文脈・定義を確認する |
トラバース計算では「方位角」の語を使います。
方向角は測量機器の水平目盛読み取り値を指す文脈でも使われるため、問題文の文脈を確認することが重要です。
令和3年第6問(計算:多角測量の方向角)では、既知点Aから既知点Cへの方向角225°12'40"を起点として、きょう角を順次加減することで新点(1)における既知点Bの方向角を求める問題が出題されています(正答:135°20'10"、選択肢4)。前の方向角+きょう角±180°という連続計算の手順を使いこなすことが正答への近道です。
「逆方位角」を直接問う問題はR2〜R6では確認されていませんが、逆方位角=元の方位角±180°(360°超は−360°)という計算は方位角の連続計算の応用として押さえておきましょう。
混同しやすい用語
方位角 ↔ 方向角
方位角は北基準の0〜360度。方向角は器械の水平角読み取り値を指すことが多く、基準方向が異なる場合がある。試験の文脈を確認する。
進行方向の方位角 ↔ 逆方位角
逆方位角はある方向の方位角に180度を加えた値(360度を超えたら−360度)。始点→終点の方位角と終点→始点の方位角は180度異なる。
問題:方位角は、真北を0度として反時計回りに測った角度である。
〇か×か。
答え:×
方位角は真北を0度として時計回りに測ります。反時計回りではありません。
問題:ある測線の方位角が250度のとき、その逆方位角は70度である。
〇か×か。
答え:〇
250度+180度=430度、430度-360度=70度となります。
問題:方位角を使うと、測線の距離と方位角から経距と緯距を計算することができる。
〇か×か。
答え:〇
距離Lと方位角αから、緯距ΔX=L×cosα、経距ΔY=L×sinαで計算できます。
今回は方位角について説明しました。
方位角は真北を基準に時計回りで0〜360度の範囲で表します。
トラバース計算では方位角から経距・緯距を求め、座標を順番に計算していきます。
方向角との違いも整理しておきましょう。
方位角を求めた後の、緯距経距から座標確定までの全体の流れは、次の通し計算記事で確認できます。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「方位角は反時計回りに測る」「方位角の範囲は0〜180度である」といった誤り選択肢が出やすいです。方位角は時計回り・0〜360度と明確に定義してください。逆方位角の計算では「±180度」の符号ミスに注意しましょう。