ソクタ
「水平角」と「鉛直角」、どっちがどの方向の角度か混乱しませんか?それぞれの測り方と測量での使い分けをここで整理します。
この記事の要点
水平角と鉛直角の違いを測角の観点から解説します。水平面内の角度と鉛直面内の角度の使い分け、仰角・俯角との関係を整理します。
セオドライトは水平面の角度と鉛直面の角度の両方を読み取れる器械です。
水平角と鉛直角それぞれの意味と使われる場面をここで整理します。
水平角とは、水平面内で2方向のなす角度のことです。
一方、鉛直角は鉛直面内で水平方向(または鉛直方向)を基準として測った角度です。
見上げる方向(仰角)と見下ろす方向(俯角)があります。
セオドライトやトータルステーションは、水平角と鉛直角の両方を同時に読み取れる器械です。
ザックリ言うと、水平角は「水平面内での方向の角度」、鉛直角は「上下方向の傾き」です。トータルステーションはこの2つと斜距離を同時に計測できて、そこから座標を計算します。
水平角は、水平面内で基準方向(後視方向など)から目標方向までの角度を示します。
トラバース測量での内角観測やセオドライトの水平目盛読み取りに使われます。
方位角の計算にも水平角の観測値が使われます。
水平角は0〜360度の範囲で表すことが多く、観測する際には正(右回り)反(左回り)の2回の読み取りで誤差を減らします。
鉛直角は水平面を基準として上下方向に測った角度です。
作業規程の準則(下図)では、観測精度の区分が定められています。
水平方向を0度として上向きを仰角、下向きを俯角と呼びます。
三角測量での高さ計算(三角高低測量)や、斜距離から水平距離・高低差を求める計算に使います。
なお、天頂距離は天頂(真上)を0度として測った鉛直角の一種です。
鉛直角と天頂距離の関係は「鉛直角+天頂距離=90度」ではなく、「天頂距離=90度-仰角」という関係があります。
2つの角度を比較して整理します。
| 項目 | 水平角 | 鉛直角 |
|---|---|---|
| 測定面 | 水平面内 | 鉛直面内 |
| 用途 | 方位角計算・内角観測 | 高低差計算・斜距離補正 |
| 試験でのポイント | トラバース計算の基本 | 仰角・俯角・天頂距離の区別 |
斜距離(機器から目標までの直線距離)から水平距離を求めるには鉛直角が必要です。
水平距離=斜距離×cos(鉛直角)という計算式を使います。
令和5年第7問(計算:間接水準測量)では、高低角11°・斜距離1,000mから新点Bの標高を求める問題が出題されています(観測高低差=斜距離×sin(高低角)≒190.81m、新点B標高≒200.71m、正答:選択肢3)。鉛直角(高低角)は高低差・斜距離補正の計算に使い、水平角は方位角計算・内角観測に使うという区別を確実に覚えましょう。
天頂距離と鉛直角(仰角)の関係は天頂距離=90°−仰角です。天頂距離が90°なら水平方向で、この区別も正誤問題で問われます。
混同しやすい用語
水平角 ↔ 鉛直角
水平角は平面(方位・内角)、鉛直角は上下(高低差・斜距離補正)で使う。どちらもセオドライトで読めるが用途が違う。
仰角 ↔ 俯角
仰角は水平より上(+)、俯角は水平より下(−)。天頂距離は天頂(真上)から測る角度で、仰角=90度−天頂距離。
問題:水平角とは、水平面内で基準方向から目標方向までの角度のことである。
〇か×か。
答え:〇
水平角の定義です。トラバース測量の内角観測に使います。
問題:鉛直角の仰角とは、水平方向より下を向いた方向の角度である。
〇か×か。
答え:×
仰角は水平方向より上を向いた角度です。水平より下を向いた角度は俯角です。
問題:斜距離から水平距離を求めるためには、鉛直角(仰角)が必要である。
〇か×か。
答え:〇
水平距離=斜距離×cos(鉛直角)で求めます。鉛直角の観測値が必要です。
今回は水平角と鉛直角の違いについて説明しました。
水平角は水平面内の角度でトラバース計算・方位角計算に使い、鉛直角は鉛直面内の角度で高低差や斜距離補正に使います。
セオドライトは両方を読み取れる器械ですが、使い道が異なります。
方位角の計算手順についてはこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「方位角の計算には鉛直角を使う」は誤りです。方位角の計算は水平角(水平面内の観測)を使います。鉛直角は「高さを求める」場面で出てきます。天頂距離=90°−仰角という関係も試験に出るので公式として覚えておきましょう。