ソクタ
緯度・経度があるのに、なぜ「平面直角座標系」を使うのか疑問に思いませんか?平面直角座標系の役割と使われる理由をここで整理します。
この記事の要点
平面直角座標系とは何かを解説します。日本で使用する19系統の平面直角座標系の仕組み、座標計算で使う理由と地理座標系との違いを整理します。
測量の計算では、球面の座標をそのまま使うと計算が複雑になります。
日本で使われる平面直角座標系の仕組みと必要な理由をここで整理します。
平面直角座標系とは、地球の球面を平面に投影して、X軸(北方向)とY軸(東方向)の直交する2軸で位置を表す座標系です。
日本では公共測量基準として19系統(第1系〜第19系)の平面直角座標系が定められており、地域によって使用する系番号が異なります。
各系の中央経線を基準とすることで、投影による距離・角度のひずみを小さく抑えています。
トラバース計算や基準点測量の座標計算にはこの平面直角座標系を使います。
簡単に言えば、日本全国を19のエリアに分けて、各エリア内をXY座標で表す仕組みです。地球は丸いけれど計算しやすいよう平面として扱う。そのための「エリア分けのルール」です。
平面直角座標系はガウス・クリューゲル投影(正角横円筒図法)を使って、球面の地球を平面に投影します。
各系には中央経線が定められており、その中央経線とそれに直交する方向に直角座標軸を設けます。
X軸が北方向(中央経線方向)、Y軸が東方向です。
日本の系番号(第1系〜第19系)と各系がカバーする地域の対応については最新の作業規程の準則・測量法関連資料で確認してください。
緯度・経度(地理座標)は球面座標であるため、三角関数を使った通常の距離計算・角度計算には向きません。
基準点測量の規定は、作業規程の準則(下図)の第2編に定められています。
平面直角座標系に変換することで、三平方の定理や三角比をそのまま使った計算が可能になります。
これがトラバース計算を始めとする測量計算で平面直角座標系が使われる理由です。
2つの座標系を比較します。
| 項目 | 平面直角座標系 | 地理座標系 |
|---|---|---|
| 表し方 | X(北)・Y(東)のm単位 | 緯度・経度の度分秒 |
| 計算 | 三平方・三角比が使える | 球面計算が必要 |
| 試験でのポイント | X軸が北・19系の概念 | GNSSの結果は地理座標 |
GNSS測量の観測結果は緯度・経度(地理座標)で得られますが、座標計算には平面直角座標に変換して使います。
令和6年第6問(計算:平面直角座標)では、点Aの座標(XA=−800.00m、YA=+1,100.00m)から方向角305°00'00"・平面距離1,000mの位置にある点Bの座標を求める問題が出題されています(正答:XB≒−226.42m、YB≒+280.85m、選択肢4)。
この計算ではXB=XA+L×cos(方向角)、YB=YA+L×sin(方向角)を使います。X軸が北方向・Y軸が東方向であることと、数学の一般的なxy座標(x軸が横方向)との違いは正誤問題でも問われる典型的なポイントです。
令和2年第22問(正誤:平面直角座標系)では、縮尺係数について「原点を通る子午線上では0.9999であり、そこから離れるほど縮尺係数は大きくなる」という知識が問われています。「離れると小さくなる」は誤りなので注意してください。縮尺係数の詳細はこちら。
混同しやすい用語
平面直角座標系 ↔ 地理座標系
平面直角座標はX(北)・Y(東)のm単位、地理座標は緯度・経度の角度単位。計算の使いやすさが違う。
系番号 ↔ 地域
日本は19系統あり、都道府県によって使用する系番号が異なる。系番号と地域の対応は資料で確認する。
問題:平面直角座標系ではX軸が北方向を指し、Y軸が東方向を指す。
〇か×か。
答え:〇
測量の平面直角座標系の基本定義です。数学の一般的な座標系(x軸が東)とは軸の方向が異なります。
問題:日本の平面直角座標系は全国で1系統のみ使用される。
〇か×か。
答え:×
日本の平面直角座標系は19系統あり、地域によって使用する系番号が異なります。
問題:平面直角座標系を使うと、三平方の定理や三角比をそのまま使った座標計算が可能になる。
〇か×か。
答え:〇
球面座標(緯度・経度)では球面計算が必要ですが、平面直角座標では通常の平面幾何の計算が使えます。
今回は平面直角座標系について説明しました。
平面直角座標系は球面の地球を平面に投影した19系統の座標系です。
X軸が北方向、Y軸が東方向です。
トラバース計算をはじめとする座標計算の基盤として使われます。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「平面直角座標系のX軸は東西方向を表す」は誤りです。X軸は北方向(南北)、Y軸は東方向(東西)です。数学では「x軸が横方向」が一般的ですが、測量の座標系は逆なので要注意。また日本の系の数は19系統(全国)であることも試験に出ます。