ソクタ
「方位角」と「方向角」、どっちがどっちかごちゃごちゃになりませんか?基準の方向と角度の使われ方の違いをここで整理します。
この記事の要点
方位角と方向角の違いを座標計算の観点から解説します。真北を基準とする方位角と任意基準の方向角の違い、座標計算での使い分けを整理します。
どちらも「方向を示す角度」ですが、基準と使われ方が異なります。
座標計算で混同しやすいこの2つの定義と違いをここで整理します。
方位角とは、真北(測量では座標北)を基準として時計回りに測った0度から360度の角度です。
方向角は「ある定められた基準方向からの角度」を指す場合が多く、セオドライトの水平目盛読み取り値(水平方向角)を指すこともあります。
測量計算の問題文では「方位角」と「方向角」が明確に区別されているため、どちらを指しているか確認することが重要です。
一言でいうと、方位角は「北を0°として時計回りに測った角度(0〜360°)」のことです。コンパスの向きを数値にしたものと思えば分かりやすいです。方向角も範囲は0〜360°で、違いは基準にする北(方位角は真北、測量計算で使う方向角は座標北)です。
方位角は0度から360度の範囲で表され、北が0度(360度)、東が90度、南が180度、西が270度です。
時計回りで増加します。
負の値はとらず、360度を超えた場合は360度を引いて調整します。
測量計算では座標北(平面直角座標系のY軸正方向)を基準とした「座標北方位角」を使います。
磁針が示す磁北を基準とする磁北方位角もありますが、測量計算では座標北方位角を使うのが原則です。
方向角という語は文脈によって意味が異なります。
作業規程の準則(下図)では、観測精度の区分が定められています。
セオドライトで観測するときの水平目盛の読み取り値(水平方向角)を指す場合と、真北以外の基準方向からの角度を指す場合があります。
トラバース計算の問題では、方向角を使って方位角を求める計算が出題されることがあります(具体的な手順はトラバース測量の方位角の求め方で解説)。
2つの角度を比較して整理します。
| 項目 | 方位角 | 方向角 |
|---|---|---|
| 基準方向 | 真北(座標北) | 任意(文脈による) |
| 範囲 | 0〜360度 | 定義による |
| 試験でのポイント | 座標計算の基本角度 | 問題文の定義を確認する |
試験問題では基本的に「方位角」を使った計算が求められます。方向角という語が出てきたときは問題文の定義を丁寧に確認してください。
令和3年第6問(計算:多角測量)では、既知点から始まる路線のきょう角(観測値)を順に計算して最終点の方向角を求める問題が出題されています(正答:135°20'10"、選択肢4)。前測線の方向角+きょう角±180°で次の方向角を求める手順を確実に押さえましょう。
令和6年第6問(計算:平面直角座標)でも方向角305°00'00"を使った座標計算が出題されています(正答:選択肢4)。方向角は0〜360°の範囲で北基準・時計回りであることが計算の前提です。
混同しやすい用語
方位角 ↔ 方向角
方位角は北基準・時計回り・0〜360度で固定。方向角は文脈によって基準が変わるため、問題文で定義を確認する。
方位角 ↔ 磁方位
方位角は座標北基準、磁方位は磁北基準。両者の差が磁気偏角(偏差)。測量計算では座標北基準が原則。
問題:方位角は、真北を0度として時計回りに測った角度であり、0度から360度の値をとる。
〇か×か。
答え:〇
方位角の定義そのものです。北が0度、東が90度、南が180度、西が270度です。
問題:方向角は常に真北を基準として定義される。
〇か×か。
答え:×
方向角は任意の基準方向からの角度を指す場合があります。常に真北基準ではありません。
問題:測量計算では磁北を基準とした磁北方位角を使うことが原則である。
〇か×か。
答え:×
測量計算では座標北(平面直角座標系の北方向)を基準とした座標北方位角を使うのが原則です。磁北基準は誤りです。
今回は方位角と方向角の違いについて説明しました。
方位角は真北(座標北)基準の0〜360度の角度、方向角は文脈によって基準が変わる角度です。
座標計算では方位角を使い、方向角という語が出てきたら問題文の定義を確認する習慣をつけましょう。
トラバース計算での方位角の使い方はこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「方位角と方向角は同じものである」という選択肢は誤りです。方位角は北基準で固定されていますが、方向角は基準が可変です。試験では「方位角は北を0度として時計回り」という定義がそのまま正誤判定の根拠になります。定義を言葉でそのまま言えるようにしておきましょう。