ソクタ
経緯度・直角座標・地心直交座標…位置の表し方が何種類も出てきて、結局どれが基本なの?となりませんか?測量の基準は測量法でルールが1か所に決まっています。原則と例外を分ければスッキリします。
この記事の要点
測量の基準は測量法第11条が定めています。位置の原則は「地理学的経緯度+平均海面からの高さ(標高)」。経緯度は世界測地系に従い、距離・面積は回転楕円体の表面上の値で表します。原点は日本経緯度原点・日本水準原点。法規No.4で毎年のように問われます。
測量の基準は、地球上の位置を「何を使って・どこを起点に」表すかを決めたルールです。用語が多く、表し方の選択肢もあって混乱しますが、原則と例外、そして原点の数値を押さえれば正誤問題で迷いません。
ここでは測量法第11条の基準体系を、つまずきやすい順に整理します。地球の形状(楕円体とジオイド)の中身は別の記事に分けてあります。
測量の基準とは、測量で地球上の位置を表すときに使う、位置の表し方・経緯度の基準・距離や面積の表し方・原点を定めたルールのことです。測量法第11条に規定されています。
一言でいうと、「位置は緯度経度と高さで表す」「経緯度は世界測地系で測る」「原点はここ」という約束ごとです。原則を1つ覚えて、例外(別の表し方)を足していくと整理できます。
位置の表し方には原則が1つ、例外がいくつかあります。
| 区分 | 位置の表し方 |
|---|---|
| 原則 | 地理学的経緯度 + 平均海面からの高さ(標高) |
| 例外(場合により) | ① 直角座標 + 平均海面からの高さ ② 極座標 + 平均海面からの高さ ③ 地心直交座標 |
原則は「経緯度+標高」。直角座標や地心直交座標は『場合により』選べる例外です。地心直交座標だけは高さを別に付けず、地球の重心を原点とするXYZの3次元座標でそのまま位置を表します。
表し方が決まったら、次は「何を基準に測るか」です。
地理学的経緯度は、世界測地系に従って測定します。GNSSで得られる座標もこの世界測地系です。距離及び面積は、回転楕円体の表面上の値で表します(地表の斜距離そのままではありません)。
世界測地系は、地球を一定の要件を満たす扁平な回転楕円体と想定して経緯度を測る基準です。日本はGRS80楕円体を採用しています。要件は次の3つです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 大きさ・形 | 長半径 6,378,137 m/扁平率 1 ÷ 298.257222101(GRS80) |
| 中心 | 地球の重心と一致する |
| 軸 | 短軸が地球の自転軸と一致する |
「長軸が自転軸と一致する」は誤りです。地球は赤道方向にふくらんだ扁平な形なので、自転軸と一致するのは短いほうの軸(短軸)です。ここは令和5年No.4でそのまま引っかけに使われました。
測量の原点は、日本経緯度原点と日本水準原点の2つです。離島の測量など特別の事情がある場合に、国土地理院の長の承認を得たときだけ例外が認められます。
| 原点 | 位置・数値 |
|---|---|
| 日本経緯度原点 | 東京都港区麻布台二丁目18番1地内 経度 東経 139°44′28″8869/緯度 北緯 35°39′29″1572/原点方位角 32°20′46″209 |
| 日本水準原点 | 東京都千代田区永田町一丁目1番2地内 原点数値(東京湾平均海面上の高さ)24.3900 m |
数値そのものを丸暗記する必要はありませんが、「経緯度の原点は東京都港区、水準の原点は千代田区」「水準原点の数値は約24.39 m」くらいは選択肢の正誤判断に役立ちます。原点方位角は、つくば超長基線電波干渉計観測点金属標の方向を基準にした角度です。
混同しやすい用語
短軸と長軸(回転楕円体)
地球は扁平(赤道方向にふくらむ)なので、自転軸と一致するのは短軸です。「長軸が自転軸」は誤り。試験頻出の引っかけです。
標高の定義(基準面はジオイド)
標高は「回転楕円体の表面から」ではなく、平均海面を陸側に延長した面(ジオイド)から地表までの高さです。基準面を楕円体にすり替える選択肢は誤り。詳しくは楕円体高・標高・ジオイド高の記事へ。
世界測地系 と 平面直角座標系
世界測地系は経緯度を測る基準(楕円体)。平面直角座標系は、その経緯度を平面のXYに直す表し方(例外の直角座標)です。基準と表し方は別物です。
問題:世界測地系では、回転楕円体の長軸が地球の自転軸と一致する。
〇か×か。
答え:×
自転軸と一致するのは短軸です。地球は扁平なので赤道方向が長くなります。
問題:測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点である。
〇か×か。
答え:〇
正しい。ただし離島の測量など特別の事情で国土地理院の長の承認を得た場合は例外があります。
問題:位置は地理学的経緯度と平均海面からの高さで表すのが原則で、場合により直角座標や地心直交座標でも表せる。
〇か×か。
答え:〇
原則は経緯度+標高。直角座標・極座標・地心直交座標は「場合により」選べる例外です。
法規No.4でほぼ毎年問われます。論点は固定なので、年度をまたいで解くと引っかけのパターンが見えてきます。
地球の形状や3つの高さ(楕円体高・標高・ジオイド高)が中心の年度は、楕円体高・標高・ジオイド高の記事もあわせて確認してください。
今回は測量の基準について説明しました。
位置の原則は「地理学的経緯度+平均海面からの高さ(標高)」、例外で直角座標・極座標・地心直交座標。経緯度は世界測地系、距離・面積は回転楕円体面上の値。原点は日本経緯度原点・日本水準原点です。
引っかけは「短軸が自転軸(長軸ではない)」と「標高の基準はジオイド(楕円体ではない)」の2つが定番。ここを押さえれば法規No.4は安定して取れます。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
試験での問われ方|ソクタの一言
測量の基準は法規No.4の定番で、正誤問題として出ます。論点はほぼ固定で、「位置の表し方(原則=経緯度+標高)」「経緯度は世界測地系」「距離・面積は回転楕円体面」「原点は経緯度原点・水準原点」「短軸が自転軸」「標高の基準はジオイド」の6点です。
条文の言い回しを少し変えて引っかけてくるので、原則と例外、そして数値の桁(長半径6,378,137m)をざっくり押さえておけば確実に切れます。