ソクタ
「既知点」と「新点」、どっちがすでにわかっている点でどっちが求める点か、混乱しませんか?それぞれの意味と測量での役割をここで整理します。
この記事の要点
既知点と新点の違いを基準点測量の観点から解説します。座標が既にわかっている既知点と、新たに座標を求める新点の役割と測量の流れを整理します。
基準点測量は「すでに座標がわかっている点」から「新しく座標を求める点」へと進みます。
既知点と新点の役割と測量の流れをここで整理します。
既知点とは、測量の前から座標(平面位置)または標高が既に確定している点のことです。
新点は、今回の測量作業によって新たに座標を決定しようとする点です。
基準点測量は「既知点から出発して新点の座標を求める」という基本的な流れで進みます。
既知点は測量の基準・出発点として機能し、新点は測量の目的・成果物です。
一言でいうと、既知点は「すでに座標・標高が分かっている基準の点」、新点は「今回の測量で新しく座標を決める点」です。「確認済みの拠点から順番に探索して新しい場所の座標を決めていく」みたいなイメージです。
既知点には国家基準点(三角点・基準点)や電子基準点などがあります。
基準点測量では、上位の等級の基準点を既知点として下位等級の新点を設置します。
既知点の精度は新点の精度に直接影響するため、測量計画では信頼できる既知点を選定することが重要です。
既知点の座標は使用前に確認が必要です。
座標改測等があった場合は最新の成果を使います。
新点は、公共測量では道路・建築・開発工事などの基準として使う目的で設置されます。
基準点測量の要旨は、作業規程の準則(下図)の第21条に規定されています。
設置した新点は次回の測量で既知点として使われることもあります。
このようにして基準点網が広がっていきます。
2つの点を比較します。
| 項目 | 既知点 | 新点 |
|---|---|---|
| 座標の状態 | 測量前から座標が確定 | 今回の測量で座標を決定 |
| 役割 | 測量の起点・基準 | 測量の目的・成果 |
| 例 | 三角点・電子基準点・上位等級基準点 | 今回設置する基準点 |
トラバース測量では通常、既知点から出発して複数の新点を経由し、別の既知点(または出発した既知点)に戻る(または到達する)という形をとります。
令和3年第9問(計算:GNSS基準点測量)では、電子基準点A・Bを既知点として新点CのY座標値をセミ・ダイナミック補正を使って求める問題が出題されています(正答:14,999.980m、選択肢1)。既知点から出発して新点の座標を決定するという基準点測量の基本的な流れがそのまま問われています。
「既知点の座標は測量前から確定している」「新点は今回の測量で座標を決定する点」という定義の区別は正誤問題の典型的な問われ方です。また閉合トラバース(既知点→新点→既知点に戻る)と結合トラバース(既知点→新点→別の既知点)の種類も押さえておきましょう。
混同しやすい用語
既知点 ↔ 新点
既知点は「測量前から座標がわかっている点」、新点は「今回決定する点」。役割が逆。
基準点 ↔ 新点
基準点は座標・標高が確定した測量の出発点(既知点を含む上位概念)、新点は今回の測量で座標を新たに決定する点。試験では「既知点」と「新点」の対比で問われることが多い。
問題:既知点とは、測量を行う前から座標が確定している点のことである。
〇か×か。
答え:〇
既知点の定義通りです。測量の基準・起点として使います。
問題:新点は、基準点測量を行う前から座標がわかっている点である。
〇か×か。
答え:×
新点は今回の測量によって新たに座標を決定する点です。測量前には座標はわかっていません。
問題:基準点測量は、既知点を起点として新点の座標を決定することを目的とした測量である。
〇か×か。
答え:〇
基準点測量の目的の説明として正しいです。
今回は既知点と新点の違いについて説明しました。
既知点は測量前から座標が確定した点(測量の起点・基準)、新点は今回の測量で新たに座標を求める点(測量の目的・成果)です。
基準点測量は「既知点から出発して新点を決める」という流れで進みます。
トラバース測量の計算手順についてはこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「新点の座標は測量前から既にわかっている」は誤りです。新点は今回の測量で初めて座標を決定する点です。既知点との混同が典型的な引っかかりです。基準点測量の流れ「既知点→観測→新点の座標決定」をシンプルに覚えておけば問題なく解答できます。