ソクタ
「楕円体高」「標高」「ジオイド高」。3つ出てきた瞬間に頭が真っ白になりませんか?これは、下から積み上がる3階建ての高さだとイメージすると一発で整理できます。順に見ていきましょう。
この記事の要点
地球の形は、計算用の滑らかな準拠楕円体(日本はGRS80)と、重力で決まる凸凹のジオイド(平均海面)の2つで捉えます。高さは「楕円体高」「標高」「ジオイド高」の3種類があり、関係は標高=楕円体高−ジオイド高。法規No.4で毎年のように問われます。
地球の形状と高さの基準は、法規分野の定番です。用語が似ていて混乱しますが、3つの高さの上下関係をつかめば正誤問題で迷いません。
ここでは準拠楕円体とジオイドの違い、そして3つの高さの関係を整理します。
地球の表面は山も谷もあって複雑なので、測量では2種類の基準面で形を捉えます。
1つめが準拠楕円体(じゅんきょだえんたい)。地球を少しつぶれた回転楕円体で近似した、数学的に滑らかな計算上の面です。緯度・経度や平面直角座標はこの面を基準に決めます。日本は現在GRS80楕円体を採用しています(世界測地系)。
2つめがジオイド。平均海面を陸地の下まで延長した、重力の等ポテンシャル面です。重力に従うため凸凹があり、滑らかな楕円体とは一致しません(日本付近で30〜40m程度ずれます)。標高0mの基準はこのジオイドです。
一言でいうと、準拠楕円体は「計算しやすいように決めたツルツルの地球」、ジオイドは「海面の高さで決めた本物の凸凹の基準」。この2つがあるせいで、高さが何種類も出てきます。
高さは、基準にする面によって3種類あります。下から積み上げて考えます。
| 高さ | どこからどこまで | 測る手段 |
|---|---|---|
| 楕円体高 | 準拠楕円体面 → 地表 | GNSS測量で得られる |
| ジオイド高 | 準拠楕円体面 → ジオイド面 | ジオイド・モデルで与える |
| 標高 | ジオイド面 → 地表 | 水準測量で得られる |
楕円体面を一番下に置くと、「楕円体面 → ジオイド面 → 地表」と積み上がります。つまり、
楕円体高 = ジオイド高 + 標高
これを標高について解いた、
標高 = 楕円体高 − ジオイド高
が、試験で問われる関係式です。GNSSで直接得られるのは楕円体高であって標高ではない。ここから「ジオイド高を引いて標高に直す」という流れが頻出します。
① 「楕円体高=ジオイド高+標高」を下から積む。一番下が楕円体面、その上にジオイド面、いちばん上が地表。図に3本の横線を引いて高さを書き込めば、引き算の向きを間違えません。
② GNSSは標高を測れない。得られるのは楕円体高。標高にするにはジオイド高(ジオイド・モデル)が必要、という流れが正誤問題の定番です。
③ 準拠楕円体は滑らか、ジオイドは凸凹。「ジオイドは楕円体と一致する」「ジオイドは滑らかな数学的曲面」といった選択肢は誤りです。
混同しやすい用語
準拠楕円体とジオイド
準拠楕円体は計算用の滑らかな面(GRS80)、ジオイドは重力で決まる凸凹の面(平均海面)。位置(緯度経度)の基準は楕円体、高さ(標高)の基準はジオイドです。
楕円体高と標高
楕円体高は楕円体面からの高さ(GNSSで取得)、標高はジオイド面からの高さ(水準測量で取得)。両者の差がジオイド高です。
GRS80とJGD2011
GRS80は採用している準拠楕円体の名前、JGD2011(日本測地系2011)はその楕円体を使った日本の測地基準系の呼び名です。
問題:標高は、楕円体高にジオイド高を足して求める。
〇か×か。
答え:×
標高=楕円体高−ジオイド高です(足すのではなく引く)。
問題:GNSS測量で直接得られる高さは標高である。
〇か×か。
答え:×
GNSSで得られるのは楕円体高です。ジオイド高を引いて標高に変換します。
問題:日本が現在採用している準拠楕円体は何か。
答え:GRS80楕円体(世界測地系)。
法規分野でほぼ毎年問われます。「標高=楕円体高−ジオイド高」を軸に解けます。
今回は準拠楕円体とジオイド、3つの高さについて説明しました。
準拠楕円体(GRS80)は計算用の滑らかな面、ジオイドは重力で決まる凸凹の平均海面。位置は楕円体、高さ(標高)はジオイドが基準です。
高さは下から「楕円体面→ジオイド面→地表」と積み上げ、標高=楕円体高−ジオイド高。GNSSは楕円体高を測る、という流れも押さえましょう。
高さの基準は水準測量・GNSS測量とつながります。あわせて確認してください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
試験での問われ方|ソクタの一言
法規No.4では「地球の形状・位置の基準」が正誤問題で毎年のように出ます。計算は軽め(標高=楕円体高−ジオイド高の代入程度)ですが、用語の言い換えで引っかけてきます。
「位置は楕円体・高さはジオイド」「GNSSは楕円体高」「ジオイドは凸凹」の3点を押さえれば、たいていの選択肢は切れます。