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GNSS基線ベクトルの計算、どっちを引くか・符号でこんがらがる人へ|成分の足し引きと斜距離の出し方

ソクタ

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「成分を引くのは分かるけど、どっちからどっちを引くの?」で固まりませんか?GNSS基線ベクトルの計算は、やることは足し引きと三平方だけ。つまずくのは「起点をそろえる向き」と「マイナスを引く符号」の2つです。ここで整理します。

この記事の要点

GNSS基線ベクトルは、地心直交座標系の成分(ΔX・ΔY・ΔZ)で与えられます。共通する点(起点または終点)をそろえて成分どうしを足し引きすれば、別の区間の基線が出ます。距離が必要なら斜距離=√(ΔX²+ΔY²+ΔZ²)(3次元の三平方の定理)。ミスの大半は、①どちらを引くか(起点・終点のそろえ方)、②マイナスを引く符号処理、で起きます。

基線ベクトルの計算は、令和3年・令和4年・令和5年・令和8年と繰り返し出ているGNSSの計算問題です。公式は単純なのに正答率が割れるのは、数字を入れる前の「向きと符号の整理」でつまずく人が多いからです。

「基線解析とは何か(何を求める作業か)」は基線解析の記事にまとめています。この記事は、その基線ベクトルを使った計算に絞って解説します。

基線ベクトルとは、GNSS観測で求めた2点間の位置の差を、地心直交座標系のX軸・Y軸・Z軸方向の成分(ΔX・ΔY・ΔZ)で表したものです。「A→B」のように向き(起点→終点)を持つのが特徴です。

同じ点を共有する2本の基線が分かれば、足し引きで別の区間の基線が求められます。これがこの計算の核心です。

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一言でいうと、「AからB」と「AからC」が分かれば「BからC」も分かる、という足し算引き算の話です。各方向(X・Y・Z)ごとに別々に計算するだけです。

計算の組み立て方(向きをそろえる)

ポイントは「共通する点」をそろえて、向きが通るように足し引きすることです。代表的な3パターンを押さえれば十分です。

起点が共通(A→B と A→C が分かる → B→C を求める):B→C = (A→C) − (A→B)

終点が共通(A→B と C→B が分かる → A→C を求める):A→C = (A→B) − (C→B)

向きの反転(C→B しかない → B→C にしたい):B→C = −(C→B)。全成分の符号を入れかえます。反転して向きをつなげば A→C = (A→B) + (B→C) で合成できます。

どのパターンでも、計算はX・Y・Zの成分ごとに独立に行います。

斜距離は3次元の三平方の定理

区間の長さ(斜距離)を聞かれたら、足し引きで求めた成分を使って次の式に入れます。

斜距離 = √( ΔX² + ΔY² + ΔZ² )

これは三平方の定理を3次元に拡張したものです。符号は2乗で消えるので、距離の計算では成分の符号は気にしなくてよい(足し引きの段階だけ符号に注意)と分かると、ぐっと楽になります。

計算例(令和5年 No.9)

終点Bが共通のパターンです。A→B と C→B が与えられ、A→C の斜距離を求めます。

区間 ΔX ΔY ΔZ
A→B+400.000 m+100.000 m+300.000 m
C→B+200.000 m−500.000 m+500.000 m

ステップ1:A→Cの成分を求める(終点Bが共通)

A→C = (A→B) − (C→B)

ΔX = 400 − 200 = +200 m

ΔY = 100 − (−500) = +600 m (マイナスを引くので足し算)

ΔZ = 300 − 500 = −200 m

ステップ2:斜距離を三平方で求める

斜距離 = √( 200² + 600² + (−200)² )

= √( 40,000 + 360,000 + 40,000 ) = √440,000

663.325 m

よって斜距離は663.325mです(令和5年 No.9の正解は選択肢2)。

この問題の詳しい解説(令和5年 No.9)へ

ミスを生む3つのポイント

引く向きを最初に決める。起点が共通なら「終点側 − 起点側」、終点が共通なら「起点側 − 相手」。求めたい基線の向き(A→C なら A発C着)が通るように式を立てるのがコツです。

マイナスを引いたら足す。「100 −(−500)=600」のように、符号反転の引き算でいちばん間違えます。ΔYだけ符号がちぐはぐ、という失点が定番です。

向きを反転するときは全成分の符号を変える。C→B を B→C にするなら、ΔX・ΔY・ΔZ をすべて逆符号に。1つだけ変え忘れるミスに注意。距離計算では2乗するので符号は最後は消えます。

混同しやすい用語

起点が共通 と 終点が共通

「A→B・A→C」は起点Aが共通→差でB→C。「A→B・C→B」は終点Bが共通→A→C=A→B−C→B。どちらが共通かで引く向きが変わります。

C→B と B→C

同じ2点でも向きが逆なら成分の符号がすべて逆。向きをそろえないとベクトルはつながりません。

基線解析 と 基線ベクトルの計算

基線解析は「観測データから基線ベクトルを求める作業(何を求めるか)」、この記事は「得られた基線ベクトルを足し引き・距離計算する」段階です。役割が違います。

試験での問われ方|ソクタの一言

基線ベクトルの計算は、式さえ正しく立てれば確実に取れる計算問題です。差がつくのは計算力ではなく「向きをそろえる」「符号を間違えない」という前処理。

本番では、数値を入れる前に「①どの点が共通か ②求めたい向きが通る式になっているか」を先に確認するクセをつけると、符号ミスでの取りこぼしが激減します。

一問一答

問題:基線ベクトルの成分(ΔX,ΔY,ΔZ)から斜距離を求める式は何か。

答え:斜距離=√(ΔX²+ΔY²+ΔZ²)。3次元の三平方の定理です。

問題:A→B と A→C の基線ベクトルが分かっているとき、B→C はどう求めるか。

答え:起点Aが共通なので、B→C = (A→C) − (A→B)。成分ごとに引き算します。

問題:ΔY=100−(−500) の計算結果は −400 である。

〇か×か。

答え:×

マイナスを引くので足し算になり、100−(−500)=+600です。ここが符号の最頻ミスです。

GNSS基線ベクトルの計算が出た過去問(年度別に解く)

同じ「成分の足し引き+三平方」の計算が、向き(起点共通・終点共通・向き反転)を変えて繰り返し出ています。

まとめ

今回はGNSS基線ベクトルの計算について説明しました。

共通する点をそろえて成分(ΔX・ΔY・ΔZ)を足し引きし、距離が必要なら斜距離=√(ΔX²+ΔY²+ΔZ²)で求めます。

正答を分けるのは計算力よりも前処理=「引く向きをそろえる」「マイナスを引く符号処理」「向き反転は全成分」。ここを固定の手順にすれば、毎年の頻出計算を確実に取れます。

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三平方の定理の使い方

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参考法令・規格

  • 測量法(昭和24年法律第188号)
  • 公共測量作業規程の準則(国土交通省)第2編 基準点測量(GNSS測量)
  • 測量士補 過去問(国土地理院)令和3年 No.8/令和4年 No.9/令和5年 No.9/令和8年 No.9
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

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