ソクタ
「単独測位」と「相対測位」、どっちが正確かわかりますか?精度の違いが生まれる仕組みをここで押さえましょう。
この記事の要点
単独測位と相対測位の違いをGNSS測量の観点から解説します。1台で位置を決める単独測位と、2台以上で差分を使う相対測位の精度・用途の違いを整理します。
単独測位は1台で位置を決める方法、相対測位は2台以上で差分を使う高精度な方法です。
ここでは2つの精度の違いと、測量でどちらを使うかを整理します。
単独測位とは、1台のGNSS受信機だけで衛星からの電波を受信し、受信機単独で位置を決定する方法です。
スマートフォンのGNSSや一般的なカーナビはこの単独測位です。
精度は数m〜十数m程度であり、測量精度としては不十分です。
一方、相対測位は2台以上の受信機(1台を既知点に固定)を使い、共通の衛星への差分計算で誤差を大幅に低減します。
測量士補試験で出てくるGNSS測量は相対測位です。
ザックリ言うと、単独測位は「1台の受信機だけで位置を求める(カーナビ程度・数m誤差)」、相対測位は「2台を同時に使って差分を取る(cm精度)」方法です。ソクタは「1人で目測するより、2人で同じ目標を見て差を計算するほうが精度が高い」みたいなイメージをしています。
単独測位は受信機と衛星との距離(擬似距離)を4個以上の衛星から計算して位置を決定します。
衛星の軌道誤差・電離層遅延・受信機のクロック誤差などが直接誤差として影響するため、精度は数m程度に留まります。
単独測位は手軽さが長所ですが、公共測量の基準点測量には使えません。
相対測位は既知点に固定した基準局(固定局)と、測定したい点に設置した移動局(または2点同時観測)を組み合わせます。
両受信機に共通して影響する誤差(衛星軌道誤差・電離層遅延など)は差分計算でキャンセルされます。
結果としてcm〜mm級の高精度測位が可能です。
相対測位に基づくRTK法・スタティック法の使用衛星数の標準は、作業規程の準則(下図)で定められています。
2つの測位方式を比較します。
| 項目 | 単独測位 | 相対測位 |
|---|---|---|
| 受信機の数 | 1台 | 2台以上 |
| 精度 | 数m〜十数m | cm〜mm級 |
| 測量への利用 | 公共測量には不十分 | 基準点測量に使用 |
相対測位の具体的な手法にはスタティック測量・RTK測量・ネットワーク型RTKなどがあります。
単独測位vs相対測位を直接問う問題はR2〜R6では確認されていません。R2 No.8(令和2年第8問)では「1級基準点測量は結合多角方式・アンテナを同一方向に整置・観測点間の視通不要・2周波で電離層軽減・マルチパス」の空欄補充が出題されており(正答2)、相対測位の概念が背景知識となります。
「公共測量では相対測位(スタティック・RTK等)を使う。単独測位はスマートフォン程度の精度(数m)であり測量には不適」という対比を押さえておきましょう。
混同しやすい用語
単独測位 ↔ 相対測位
単独測位は1台で数m精度、相対測位は2台以上でcm〜mm精度。
測量では相対測位を使う。
RTK測量 ↔ スタティック測量
どちらも相対測位の手法。
RTKはリアルタイム、スタティックは後処理。
精度・観測時間・用途が異なる。
問題:単独測位とは、1台のGNSS受信機だけで位置を決定する方法であり、精度は数m程度である。〇か×か。
答え:〇
単独測位の定義と精度の説明として正しいです。
問題:相対測位では、2台以上の受信機を使って共通誤差を差分計算でキャンセルし、高精度の位置を求める。〇か×か。
答え:〇
相対測位の原理を正しく説明しています。
問題:公共測量の基準点測量に使うGNSS測量は単独測位で行われる。〇か×か。
答え:×
公共測量の基準点測量に単独測位を使うという記述は誤りです。公共測量の基準点測量では相対測位(スタティック測量やRTK測量など)を使います。
今回は単独測位と相対測位の違いについて説明しました。
測量で使うのは相対測位(スタティック・RTK等)。単独測位はスマートフォン程度の数m精度で公共測量には不適。
スタティック測量・RTK測量はいずれも相対測位の一種です。
RTK測量とスタティック測量の違いはこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「公共測量の基準点測量では単独測位を使う」は誤りです。
公共測量では相対測位(スタティック・RTKなど)を使います。
単独測位はスマートフォンのGPS程度の精度であり、測量には使いません。
「相対測位=2台以上・差分計算」という構造を押さえておけば問題なく解答できます。