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細部測量の水平位置誤差、秒をラジアンに直すところで詰まる人へ|距離×角度の出し方

ソクタ

ソクタ

「角度誤差から位置のズレを出す」問題、式は知ってるのに答えが合わない…そんな経験ありませんか?つまずく原因はだいたい決まっています。「分を秒に直し忘れる」「秒のままラジアンに換算してしまう」の2つです。ここで根本から整理します。

この記事の要点

細部測量で、観測した角度に誤差があると、その分だけ点の位置がズレます。計算は「水平位置の誤差 = 水平距離 × 角度誤差(ラジアン)」。ミスの大半は、①分を秒に直し忘れる、②秒をラジアンに換算せず掛けてしまう、の2つで起きます。

細部測量の水平位置誤差は、令和4年・令和5年・令和8年と繰り返し出ている地形測量分野の計算問題です。公式そのものは1行なのに正答率が割れるのは、数字を入れる前の「角度の単位そろえ」でつまずく人が多いからです。

ここでは公式の意味(なぜ距離×角度で出るのか)と、ミスを生むポイントを、過去問の数値で整理します。

細部測量(さいぶそくりょう)とは、基準点やトータルステーション(TS)などを使って、地形・地物(建物・道路・水部など)の位置を細かく測り、数値地形図データを作る測量です。基準点に器械を整置し、目標点の方向(角度)と距離を観測して座標を決めます。

このとき観測した角度に誤差があると、その角度誤差の分だけ目標点の水平位置がヨコにズレます。そのズレの大きさを求めるのが、この計算問題です。

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一言でいうと、「狙う角度がほんの少しズレると、遠くの的ほど大きく外れる」という話です。同じ角度誤差でも、距離が遠いほど位置のズレは大きくなります。

計算式と、なぜその式になるのか

水平位置の誤差は次の式で求めます。

水平位置の誤差 = 水平距離 × 角度誤差(ラジアン)

これは「弧の長さ = 半径 × 中心角(ラジアン)」から出てきます。器械点を中心、距離を半径とみなすと、角度がわずかに振れたときの目標点の横ズレは、ごく短い円弧の長さで近似できます。

角度が小さいとき、横方向のズレ ≒ 弧の長さ = 距離 × 角度(ラジアン)。だから角度は「度・分・秒」のままではなく、必ずラジアンに直してから距離に掛けます。

角度誤差は通常「分・秒」で与えられるので、計算は次の2段階になります。

②-1 分を秒に直す:1′=60″ なので、たとえば 1′40″ = 60″+40″ = 100″。

②-2 秒をラジアンに直す:問題文に「1ラジアン = 2×105秒」が与えられるので、角度誤差(ラジアン)= 角度誤差(秒)÷ (2×105)

補足:「1ラジアン=2×105秒(=200,000秒)」は、本来の値 約206,265秒(=度に直すと約57.3°)を計算しやすいように丸めた近似です。試験では必ず問題文に与えられるので暗記は不要。詳しくはラジアンの記事を参照してください。

計算例(令和5年 No.15)

実際の過去問の数値で確認します。基準点AにTSを整置し、点Bを観測したときに 2′40″ の水平方向の誤差があった場合の、点Bの水平位置の誤差を求めます。

項目
A・B間の水平距離97 m
水平方向の角度誤差2′40″
1ラジアン2×105

ステップ1:分を秒に直す

2′40″ = 2×60″ + 40″ = 120″ + 40″ = 160″

ステップ2:秒をラジアンに直す

160″ ÷ (2×105) = 160 ÷ 200,000 = 0.0008 ラジアン

ステップ3:距離を掛ける

水平位置の誤差 = 97 m × 0.0008

= 0.0776 m ≒ 78 mm

よって水平位置の誤差は78mmです(令和5年 No.15の正解は選択肢3)。

この問題の詳しい解説(令和5年 No.15)へ

ミスを生む3つのポイント

分を秒に直し忘れない。「2′40″」を「240″」と読んでしまうミスが定番です。1′=60″なので、2′40″=160″(2×60+40)。まずここを確実に。

秒のままラジアンに換算してから掛ける。「距離×角度(ラジアン)」の角度は、秒でも分でも度でもなくラジアンです。秒のまま距離に掛けると桁が大きくずれます。必ず「秒 ÷ 2×105」でラジアンに直してから掛けます。

答えの単位(m→mm)をそろえる。距離をmで計算すると答えもm。選択肢はmmで並ぶことが多いので、最後に1000倍してmmに直します(0.0776m=77.6mm≒78mm)。

混同しやすい用語

分(′)と秒(″)

1′(1分)=60″(60秒)です。「2′40″」は2分40秒=160秒。分をまたぐ角度の秒換算は、ここを落とすと全部ずれます。

秒とラジアン

秒は度数法の細かい単位、ラジアンは弧度法の単位です。「距離×角度」の式で使えるのはラジアンだけ。問題文の「1ラジアン=2×105秒」で換算します。

角度誤差と位置誤差

角度誤差は「狙った方向のズレ(秒など)」、位置誤差は「その結果生じた点の位置のズレ(mmなど)」です。距離を掛けて初めて位置誤差になります。

試験での問われ方|ソクタの一言

この計算は、式「距離×角度(ラジアン)」さえ正しく使えれば確実に取れるサービス問題です。差がつくのは計算力ではなく「分→秒」「秒→ラジアン」という前処理の2段階。

本番では、数値を式に入れる前に「①分を秒に直したか? ②秒をラジアンに直したか?」を声に出して確認するクセをつけると、取りこぼしません。距離測定と角度測定は互いに影響しない、角度測定以外の誤差は考えない、という前提も毎回そえられています。

一問一答

問題:角度誤差による水平位置の誤差は「水平距離 × 角度(ラジアン)」で求められる。

〇か×か。

答え:

微小角では横方向のズレ≒弧長=距離×角度(ラジアン)。角度は秒からラジアンに換算してから掛けます。

問題:2′40″は、秒に直すと240″である。

〇か×か。

答え:×

2′40″=160″です。1′=60″なので、2×60+40=160″。「240」と読むのは典型的なミスです。

問題:水平距離97m、角度誤差160″、1ラジアン=2×105″のとき、水平位置の誤差は何mmか。

答え:97×(160÷200000)=97×0.0008=0.0776m≒78mm

細部測量の水平位置誤差が出た過去問(年度別に解く)

同じ「距離×角度(ラジアン)」の計算が、数値を変えて繰り返し出ています。年度ごとに手を動かして確認しましょう。

まとめ

今回は細部測量の水平位置誤差の計算について説明しました。

式は「水平位置の誤差 = 水平距離 × 角度誤差(ラジアン)」で、「弧長=半径×中心角(ラジアン)」の近似から導けます。

正答を分けるのは計算力よりも前処理=「分を秒に直す」「秒をラジアンに直す」の2点。ここを固定の手順にすれば、毎年の頻出計算を確実に取れます。

角度の単位換算が不安な人は、ラジアンと度分秒の記事もあわせて確認してください。

ラジアンとは?角度計算で使う意味

秒単位の角度とは?度分秒の変換方法

測図測量の記事一覧

参考法令・規格

  • 測量法(昭和24年法律第188号)
  • 公共測量作業規程の準則(国土交通省)第4章 地形測量及び写真測量
  • 測量士補 過去問(国土地理院)令和4年 No.15/令和5年 No.15/令和8年 No.14
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

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