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ソクタ
オリジナル・グラウンド・グリッドデータ、どれがどの段階?
この記事の要点
航空レーザ測量は、航空機にレーザ測距装置とGNSS(位置)・IMU(姿勢)を載せ、地表へレーザを当てて三次元の点群を取る測量です。データはオリジナルデータ →(フィルタリングで地表面以外を除去)→ グラウンドデータ →(内挿)→ グリッドデータの順で作ります。空中写真測量と違い、樹木の下の地盤や夜間でも計測できるのが強みです。
航空レーザ測量は、写真測量・点群分野(No.17〜20)でほぼ毎年顔を出す論点です。計算より語句問題(データの種類や処理手順の穴埋め・正誤)として出ることが多く、用語の順番を取り違えると失点します。
ここでは仕組みとデータ処理の流れを、つまずきやすい順番に整理します。欠測率の計算は専用の記事に分けてあります。
航空レーザ測量(こうくうレーザそくりょう)とは、航空機にレーザ測距装置・GNSS受信機・IMUを搭載し、地表へレーザ光を照射して反射が返るまでの時間から距離を測り、地表面の三次元点群を取得する測量です。取得した点群から数値標高モデル(DEM)を作るのが主な目的です。
一言でいうと、飛行機やヘリから地面にレーザを当てて、地表の形を点の集まりで記録する測量です。点を地面だけに絞り込み、最後にマス目状の標高データに整えます。
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航空レーザ測量では、3つの装置が役割を分担します。地表点の座標は、機体の位置・姿勢と、機体から地表までの距離・方向を組み合わせて計算します。
| 装置 | 役割 |
|---|---|
| レーザ測距装置 | レーザ光の往復時間から、機体から地表までの距離を測る |
| GNSS | 機体の位置(X・Y・Z)を測る |
| IMU(慣性計測装置) | 機体の姿勢(傾き・向き)を測る |
GNSSは「どこにいるか(位置)」、IMUは「どう傾いているか(姿勢)」を担当します。レーザだけでは距離しか分からず、機体の位置と姿勢が分かって初めて地表点の座標が決まる、という分担を押さえてください。
地上には標高や水平位置の基準になる調整用基準点(標定点)を設け、計測値のずれを補正します。
ここが一番つまずく部分です。航空レーザ測量のデータは、次の順番で姿を変えていきます。
| 段階 | データ | 中身 |
|---|---|---|
| ①取得直後 | オリジナルデータ | 計測したままの全点群(地面+建物+植生など全部入り) |
| ②フィルタリング後 | グラウンドデータ | 建物・植生を除き、地表面の点だけ残したデータ |
| ③内挿後 | グリッドデータ | 等間隔の格子(メッシュ)に標高を整えたデータ=DEM |
フィルタリングとは、オリジナルデータから建物・樹木など地表面以外の点を取り除き、地面の点(グラウンドデータ)を抜き出す処理のことです。最初に自動フィルタリングをかけ、そのあと人の目で手動フィルタリングをして仕上げます。
最後に、点がばらばらに散らばったグラウンドデータを、決まった格子間隔に内挿補間してそろえたものがグリッドデータ(数値標高モデル)です。
「フィルタリング=地表面以外を除く」「グラウンド=地面だけ」「グリッド=マス目にそろえた最終形」。この対応を取り違えると、語句穴埋めで確実に1問落とします。
航空レーザ測量は空中写真測量とよく比較されます。どちらも上空から地形を測りますが、得意・不得意が違います。
| 項目 | 航空レーザ測量 | 空中写真測量 |
|---|---|---|
| 原理 | レーザを当てる(自ら光を出す) | カメラで撮る(太陽光が必要) |
| 夜間 | 計測できる | 原則できない(明るさが必要) |
| 樹木の下の地盤 | 枝葉の隙間からレーザが届けば取れる | 樹冠しか写らず取りにくい |
| 雲・濃霧・降雨 | レーザが遮られ計測できない | 雲があると地表が写らない |
| 色(写真)情報 | 基本は標高(色は取らない) | 色つきの写真が得られる |
試験で狙われるのは「航空レーザ測量は雲の影響を受けない」という誤りです。レーザ光は雲を透過できないため、雲・濃霧・降雨降雪があると地表に届かず計測できません(令和5年No.20)。一方で、自ら光を出すので夜間でも計測でき、樹木下の地盤高を取りやすいのは正しい特徴です。
混同しやすい用語
オリジナルデータ・グラウンドデータ・グリッドデータ
オリジナル=全点入り、グラウンド=フィルタリングで地面だけ残した点、グリッド=それを格子状にそろえた最終形(DEM)です。順番は「オリジナル→グラウンド→グリッド」で固定です。
航空レーザ測量 と 地上レーザ・UAVレーザ
航空レーザは飛行機・ヘリから広域を測ります。地上に据えるのが地上レーザ、ドローンに載せるのがUAVレーザです。プラットフォーム(どこから測るか)が違うだけで、点群を取る考え方は共通です。
問題:航空レーザ測量のフィルタリングは、地表面の点を取り除いて建物や植生の点を残す処理である。
〇か×か。
答え:×
逆です。フィルタリングは建物・植生など地表面以外を取り除き、地面の点(グラウンドデータ)を残す処理です。
問題:航空レーザ測量で、機体の姿勢(傾き)を計測する装置はGNSSである。
〇か×か。
答え:×
姿勢を測るのはIMUです。GNSSは機体の位置を測ります。
問題:航空レーザ測量は、雲があってもその影響を受けずに地表のデータを取得できる。
〇か×か。
答え:×
レーザ光は雲を透過できないため、雲・濃霧・降雨降雪があると地表に届かず計測できません。
データ処理の流れと特徴は、どの年度でも問われ方が共通です。年度をまたいで解いて用語を固めましょう。
計算(欠測率)は次の年度で出ています。数え方は欠測率の記事で確認してください。
今回は航空レーザ測量について説明しました。
仕組みは「レーザ=距離・GNSS=位置・IMU=姿勢」。データは「オリジナル →(フィルタリング)→ グラウンド →(内挿)→ グリッド」の順。空中写真測量と違い、夜間や樹木下でも計測できる一方、雲があるとレーザが遮られて計測できません。
この用語の順番と特徴を押さえれば、写真・点群分野の語句問題で確実に点を取れます。計算は欠測率を別途確認してください。
用語の意味を押さえたら、過去問で実際の問われ方に慣れるのが得点への近道です。教材選びに迷ったら測量士補のテキスト・過去問集の選び方を参考にしてください。
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参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
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試験での問われ方|ソクタの一言
航空レーザ測量は語句穴埋めか正誤での出題が中心です。「フィルタリングで地表面以外を除く」「グラウンドデータ=地表面」「GNSSは位置・IMUは姿勢」「雲があると計測できない」の4点を押さえれば、たいていの選択肢は切れます。
計算で出るのは欠測率(水部を分母から除く)です。こちらは別記事にまとめてあるので、語句が固まったら計算も確認してください。