ソクタ
縦断面図と等高線の交点を出す問題、どこから手をつければいいか分からなくなりませんか?つまずく原因はだいたい決まっています。「比例配分の比のとり方」と「最後の縮尺換算」の2つです。ここで根本から整理します。
この記事の要点
傾斜が一定の道路(直線)と等高線が交わる点の位置は、「標高差の比 = 水平距離の比」で比例配分すれば求められます。求めた地上の水平距離を、最後に縮尺で割って地図上の長さ(cm)に直すのが全体の流れです。ミスの大半は、①比の分子・分母の取り違え、②縮尺換算のし忘れ、で起きます。
等高線交点間の水平距離は、令和2年・令和5年・令和6年・令和7年と繰り返し出ている地形測量分野の計算問題です。図がついているので身構えがちですが、使う考え方は「傾斜が一定なら標高は距離に比例する」という1点だけです。
ここでは比例配分の組み立て方と縮尺換算を、過去問の数値で整理します。
地形図の等高線は、同じ標高の点を結んだ線です。傾斜が一定でまっすぐな道路の上では、標高が一定の割合で増減するので、「ある標高になる地点」が道路上のどこかを、距離の比で割り出せます。これが等高線との交点です。
交点どうしの地上での水平距離を出し、それを縮尺で割れば、地形図上の長さ(cm)になります。
一言でいうと、「坂道を一定の勾配で下るとき、◯mの標高になるのは出発点から何mか」を比で出す話です。坂が一定なら、標高の下がり方と進んだ距離は同じ割合になります。
① 各区間の「標高差」と「水平距離」を押さえる(傾斜一定が前提)。
② 交点までの水平距離 = 区間の水平距離 ×(端点から交点までの標高差 ÷ 区間全体の標高差)で比例配分する。
③ 交点どうしの地上水平距離を出し、÷ 縮尺分母で地図上の長さ(cm)に換算する。
補足:問題によっては、区間の端点(点B)の標高がそのまま与えられず、高低角と斜距離から先に標高を出す前段がつきます(令和2・6・7年タイプ)。その標高計算は間接水準測量(高低角と斜距離)の記事にまとめてあります。ここでは標高が出た後の「比例配分+縮尺換算」に集中します。
標高が最初から与えられる、いちばん素直なタイプです。縮尺1/1,000の地形図で、点A〜Cは同一直線上、各区間は傾斜一定とします。
| 点 | 標高 | 区間の水平距離 |
|---|---|---|
| A | 78 m | A〜B:50 m |
| B | 73 m | |
| C | 69 m | B〜C:48 m |
交点X=標高75m(A〜B間)、交点Y=標高70m(B〜C間)の、地図上での距離XYを求めます。
ステップ1:交点X(標高75m)の位置を比例配分
A〜Bは50mで 78m→73m(標高差5m)。Aから75mまでは 78−75=3m。
Aからの水平距離 = 50 ×(3 ÷ 5)= 30 m
ステップ2:交点Y(標高70m)の位置を比例配分
B〜Cは48mで 73m→69m(標高差4m)。Bから70mまでは 73−70=3m。
Bからの水平距離 = 48 ×(3 ÷ 4)= 36 m → Aからは 50+36 = 86 m
ステップ3:XYの地上距離を出し、縮尺で換算
XYの地上水平距離 = 86 − 30 = 56 m
縮尺1/1,000 → 56 ÷ 1,000 = 0.056 m = 5.6 cm
よって地図上の距離XYは5.6cmです(令和5年 No.14の正解は選択肢4)。
① 比の分子・分母を取り違えない。比例配分は「端点から交点までの標高差 ÷ 区間全体の標高差」を区間距離に掛けます。どの点を基準(距離0)にするかを最初に決め、最後までブレさせないのがコツです。
② 縮尺換算を忘れない。答えは「地図上の長さ」を聞かれます。地上の距離(m)のまま選択肢を見ると桁を間違えます。1/1,000なら1m=1mm、1/500なら1m=2mmと覚えると換算が速いです。
③ 同一直線上かを確認。「A〜Cは同一直線上」と断り書きがあれば、地上の水平距離はそのまま足し引きできます。ここが崩れると単純な引き算が使えません。
混同しやすい用語
地上の水平距離と地図上の距離
比例配分で出るのは地上の実距離(m)。問われるのは地図上の長さ(cm)です。最後に縮尺で割る一手間を忘れないこと。
標高差と水平距離
傾斜一定のとき、この2つは比例します。「標高差の比=水平距離の比」が比例配分の根拠です。斜距離(坂に沿った長さ)とは別物なので注意。
等高線の間隔と交点間の距離
等高線の間隔は「等しい標高差ごとの線の混み具合」、交点間の距離は「特定の標高の地点どうしの距離」。問われているのが間隔か交点間かを読み分けます。
問題:傾斜が一定の道路では、標高差の比と水平距離の比は等しい。
〇か×か。
答え:〇
傾斜(勾配)が一定なら、進んだ距離に比例して標高が変化します。これが比例配分の根拠です。
問題:区間A〜B(水平距離50m)で標高が78m→73mに下がるとき、標高75mの地点はAから何mか。
答え:30m
50×{(78−75)÷(78−73)}=50×(3÷5)=30mです。
問題:地上の水平距離56mは、縮尺1/1,000の地形図上で何cmか。
答え:5.6cm
56m÷1,000=0.056m=5.6cm。1/1,000は1m=1mmです。
同じ「比例配分+縮尺換算」の計算が、数値や前段(高低角→標高)を変えて繰り返し出ています。年度ごとに手を動かして確認しましょう。
今回は等高線交点間の水平距離の計算について説明しました。
核になるのは「傾斜一定なら標高差の比=水平距離の比」という比例配分。交点位置を出したら、最後に縮尺で割って地図上の長さ(cm)に直します。
正答を分けるのは「比の向きを固定する」「縮尺換算を忘れない」の2点。高低角・斜距離から標高を先に出すタイプも、標高が出たあとは同じ手順です。
前段の標高計算や縮尺の基本は、関連記事もあわせて確認してください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
試験での問われ方|ソクタの一言
このタイプは、図に圧倒されて手が止まるだけで、やることは「比例配分」と「縮尺換算」の2つだけです。標高が直接与えられる年(令和5年)と、高低角・斜距離から先に標高を出させる年(令和2・6・7年)がありますが、後半は同じです。
本番では、まず「基準点(距離0)はどこか」「最後にcmで答えるか」を先に決めてから計算に入ると、比の向きと縮尺換算でのミスがぐっと減ります。