この記事の要点
電子基準点とは何かを解説します。国土地理院が全国に設置したGNSS連続観測点(電子基準点)のGNSS測量での役割と、水準点との違いを整理します。
電子基準点は国土地理院が全国に設置したGNSS受信機の連続観測点で、GNSS測量の基準局として使います。
ここでは電子基準点のしくみと、水準点との違いを整理します。
電子基準点とは、国土地理院が全国にほぼ均等に設置したGNSS受信機を常設した連続観測点のことです。
全国に約1300点(設置時期により数は変動。
最新の設置数は国土地理院の情報で確認してください)あり、24時間365日GNSSの信号を連続受信して観測データを記録しています。
この電子基準点のデータをGNSS測量の基準局として利用することで、測量者が現地に基準局(固定局)を設置しなくてもスタティック測量やネットワーク型RTKが可能になります。
ザックリ言うと、全国約1300か所に設置された「GNSSの常時観測局」です。1秒ごとにデータを収集・公開しており、RTK測量などの基準データとして使われます。国が運営する測量インフラの一つです。
スタティック測量では、電子基準点を既知点(基準局)として扱い、測量点に設置したGNSS受信機との基線解析を行います。
電子基準点の観測データはオンライン(国土地理院のGEONET)から入手できます。
ネットワーク型RTKでは、複数の電子基準点データを組み合わせた補正情報を利用することで、現地への基準局設置なしにリアルタイム測位ができます。
電子基準点を既知点として使用する場合の規定は、作業規程の準則(下図)の基準点測量の章で定められています。
電子基準点と水準点はどちらも「国の基準点」ですが、目的が異なります。
| 項目 | 電子基準点 | 水準点 |
|---|---|---|
| 設置目的 | GNSS連続観測・基準局提供 | 標高(高さ)の基準 |
| 提供する値 | 三次元座標(緯度・経度・楕円体高) | 標高(正標高) |
| 主な用途 | GNSS測量の基準局 | 水準測量の既知点 |
電子基準点はGNSS受信機が常設された施設であり、水準点は地面に設置された標石という点も大きな違いです。
電子基準点を既知点として用いた場合の閉合差の許容範囲は、作業規程の準則(下図)で定められています。
「電子基準点の定義」を直接問う問題はR2〜R6では確認されていません。R6 No.8(電子基準点を既知点とした今期・元期Y座標値計算、正答4)・R5 No.8(準天頂衛星・電離層軽減・軌道情報の空欄補充、正答2)では電子基準点を前提とした応用問題が出題されています。
電子基準点は三次元座標(緯度・経度・楕円体高)を持つGNSS連続観測点であり、セミ・ダイナミック補正の基準としても使用されます。設置主体は国土地理院です。
混同しやすい用語
電子基準点 ↔ 水準点
電子基準点はGNSS受信機常設の三次元座標既知点、水準点は標高既知の地上標石。
設置目的・提供情報がまったく異なる。
電子基準点 ↔ GNSS受信機
電子基準点はGNSS受信機を内蔵した施設(固定点)、GNSS受信機は測量者が持ち込む観測機器。
固定か可搬かが違う。
問題:電子基準点は、国土地理院が全国に設置したGNSS受信機を常設した連続観測点である。〇か×か。
答え:〇
電子基準点の定義として正しいです。
問題:電子基準点は水準測量の既知点(基準)として設置された施設である。〇か×か。
答え:×
電子基準点は水準測量の基準ではありません。電子基準点はGNSS測量の基準局として設置されたものです。水準測量の既知点は水準点です。
問題:ネットワーク型RTK測量では、電子基準点のデータを活用することで現地への基準局設置なしに測量が可能になる。〇か×か。
答え:〇
ネットワーク型RTKの基本的な仕組みの説明として正しいです。
今回は電子基準点について説明しました。
電子基準点は国土地理院が全国に設置したGNSS連続観測点です。
GNSS測量の基準局として使われ、スタティック測量やネットワーク型RTKの基盤となります。水準点とは目的・提供情報がまったく異なります。
スタティック測量・RTK測量の詳細はこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「電子基準点は水準測量の基準として設置されている」は誤りです。
電子基準点はGNSS(衛星測量)の連続観測点であり、水準測量の基準は水準点です。
「電子基準点=GNSS・三次元座標」「水準点=標高・水準測量」という対応を明確にしてください。
設置主体が国土地理院という点も試験によく出ます。