ソクタ
内角の和が計算通りにならないとき、どうすればいいか困りませんか?角閉合差の意味と補正の方法をここで整理します。
この記事の要点
角閉合差とは何かを解説します。多角測量で観測した内角の和と理論値(n-2×180度)の差である角閉合差の意味と、試験での確認方法を整理します。
多角測量(トラバース)では、観測した内角の和と理論値にずれが生じます。
このずれである「角閉合差」の定義と計算方法をここで整理します。
角閉合差とは、多角測量で観測した各測点の内角の和と、理論値である「(n-2)×180°」との差のことです。
n角形の内角の和は (n-2)×180° です。
例えば5角形なら (5-2)×180°=540° が理論値です。
実際の観測では各内角の観測値に小さな誤差が含まれるため、内角の和がちょうど540°にはなりません。
この差が角閉合差です。
簡単に言えば、多角形の内角の合計を理論値と比べてズレを確認する作業です。三角形なら合計は必ず180°。そこからずれていれば測角ミスの疑いがあります。計算結果の「検算」の一つです。
角閉合差=観測した内角の和 − (n-2)×180° で求めます。
結果が正であれば観測値の和が理論値より大きい、負であれば小さいということになります。
許容角閉合差を超えた場合は再観測が必要です。
許容角閉合差の具体値は最新の作業規程の準則で確認してください。
角閉合差が許容範囲内の場合、その誤差は各測点に均等に配分します(各測点の補正量=角閉合差÷測点数)。
角閉合差は角度観測のずれ、閉合誤差は座標(経距・緯距)のずれであり、異なる指標です。
作業規程の準則(下図)では、観測精度の区分が定められています。
| 項目 | 角閉合差 | 閉合誤差 |
|---|---|---|
| 確認するもの | 角度観測のずれ | 座標(位置)のずれ |
| 理論値 | (n-2)×180° | 経距・緯距の総和=0 |
| 配分方法 | 各測点に均等配分 | 各測線長に比例配分 |
点検計算では角閉合差(角度のずれ)と閉合誤差(座標のずれ)を両方確認します。どちらか一方だけでは不十分です。
令和3年第5問(正誤:TS基準点測量の点検計算)では、「点検路線はなるべく長いものとする」が誤り(正しくは「なるべく短く」)、「許容範囲超過時は点検路線の経路を変更して再計算する」が誤り(正しくは「再測が必要」)として出題されています(正答:選択肢4)。
「角閉合差」を直接問う問題はR2〜R6では確認されていませんが、角閉合差=観測内角の和−(n−2)×180°で求め、許容範囲内なら各測点に均等配分するという基本手順は押さえておきましょう。
混同しやすい用語
角閉合差 ↔ 閉合誤差
角閉合差は角度観測の確認、閉合誤差は座標の確認。別々の点検計算で求める。配分方法も異なる。
内角の和 ↔ 方位角
内角の和は (n-2)×180° という固定の理論値を持つ。方位角は測線ごとに計算する連続した値で、内角の和とは別の概念。
問題:4角形のトラバース(閉合)での内角の和の理論値は360度である。
〇か×か。
答え:〇
(4-2)×180°=360°です。四角形の内角の和は360度が理論値です。
問題:角閉合差が許容値内であれば、その誤差は各測線長に比例して配分する。
〇か×か。
答え:×
角閉合差の配分は各測点に均等配分します。測線長に比例する配分は経距・緯距の閉合誤差に使います。
問題:角閉合差は、観測した内角の和から (n-2)×180° を引いた値である。
〇か×か。
答え:〇
角閉合差の定義通りです。正の値は観測の和が理論値より大きいことを示します。
今回は角閉合差について説明しました。
角閉合差は内角の観測値の和と (n-2)×180° の差です。
点検計算で確認し、許容値内なら各測点に均等配分します。
閉合誤差(座標のずれ)とは別の確認項目です。
閉合誤差と閉合比についてはこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「5角形のトラバースで内角の和の理論値は720度である」は誤りです。5角形は(5-2)×180°=540°です。n角形の公式を確実に適用できるよう、三角形180°・四角形360°・五角形540°・六角形720°と順番に押さえておきましょう。角閉合差の配分は均等配分(距離比例ではない)も要注意です。