ソクタ
「閉合比」と「閉合誤差」、どっちがどっちかごちゃごちゃになりませんか?それぞれの意味と計算での違いをここで整理します。
この記事の要点
閉合比とは何かを解説します。閉合誤差を全測線長で割った比率で精度を評価する閉合比の意味と、閉合誤差との違いを整理します。
トラバース測量の精度は「誤差の大きさ」だけでは判断できません。
全測線長との比率で表す閉合比の意味と計算方法をここで整理します。
閉合比とは、トラバース測量の閉合誤差を全測線長で割った比率のことです。
例えば、全測線長1000mで閉合誤差が0.1mなら閉合比は0.1÷1000=1/10000と表します。
同じ閉合誤差でも全測線長が長いほど閉合比は小さくなり、精度評価は高くなります。
このため、測量の精度評価には閉合誤差そのものではなく閉合比を使います。
一言でいうと、トラバース測量の精度を「閉合誤差÷全周長」という比で表したものです。1/5000なら「5km測って1mのズレ」という意味です。分母が大きいほど精度が高く、値がよいことを示します。
閉合比=閉合誤差÷全測線長、という式で求めます。
結果は「1/N」の形(分子が1の分数)で表すことが多く、Nが大きいほど精度が高いことを意味します。
例えば1/5000より1/10000の方が精度が高い評価です。
閉合誤差は経距と緯距の閉合誤差から√(ex²+ey²)で求めます。
許容閉合比の具体値は最新の作業規程の準則で確認してください。
閉合誤差が0.1mでも、全測線長が100mの場合と10000mの場合では精度がまったく異なります。
閉合差の許容範囲は、作業規程の準則(下図)で定められています。
100mで0.1mのずれは非常に大きい誤差ですが、10000mで0.1mのずれは非常に小さい誤差です。
閉合比にすることで、測線長の異なる測量の精度を公平に比較できます。
2つの指標を比較します。
| 項目 | 閉合誤差 | 閉合比 |
|---|---|---|
| 意味 | 位置ずれの絶対量 | 閉合誤差÷全測線長の比率 |
| 精度評価 | 単独では精度判断に不十分 | 測線長が異なる測量でも比較可能 |
| 値の解釈 | 小さいほどよい | 1/Nのとき、Nが大きいほどよい |
試験では「閉合比が1/5000のとき、1/10000よりも精度が低い」という正誤判断が問われます。
1/Nのとき分母が大きいほど精度が高いという関係を確実に理解しておきましょう。
令和4年第5問(正誤:TS基準点測量の精度)では、「既知点と既知点を結合させた点検路線で閉合差を計算し、観測値の良否を判定する」という記述が正しい選択肢として含まれています(正答:選択肢1)。閉合差(閉合誤差)を計算して観測値の良否を確認するのは、トラバース測量の基本手順として押さえておきましょう。
「閉合比」という語を直接問う問題はR2〜R6では確認されていませんが、閉合比=閉合誤差÷全測線長で求め、1/Nの分母が大きいほど精度が高いという関係は基礎知識として覚えておいてください。
混同しやすい用語
閉合比 ↔ 閉合誤差
閉合誤差は絶対量(m単位)、閉合比は比率(無次元)。精度評価には閉合比を使う。
閉合比 ↔ 許容誤差
許容閉合比は精度基準の上限値。観測した閉合比が許容閉合比より小さければ(分母が大きければ)合格。
問題:閉合比は、閉合誤差を全測線長で割ることで求められる。
〇か×か。
答え:〇
閉合比=閉合誤差÷全測線長です。1/Nの形で表します。
問題:閉合比が1/3000の測量は、閉合比が1/5000の測量より精度が高い。
〇か×か。
答え:×
1/3000より1/5000の方が比率が小さく(分母が大きく)精度が高いです。
問題:全測線長が異なる2つのトラバースの精度を比較するには、閉合誤差の絶対値よりも閉合比を使う方が適切である。
〇か×か。
答え:〇
閉合比は全測線長の影響を取り除いた比率なので、測線長が異なる測量の精度を公平に比較できます。
今回は閉合比について説明しました。
閉合比は閉合誤差÷全測線長で求める精度指標です。
1/Nの形で表し、Nが大きいほど精度が高い評価です。
閉合誤差の絶対量だけでは精度判断ができないため、閉合比を使います。
閉合誤差の求め方についてはこちらも参考にしてください。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「閉合比1/3000は1/5000より精度が高い」という文章は誤りです。1/3000より1/5000の方が分母が大きく、精度が高い評価です。分母の大小と精度の高低を正確に結びつけてください。試験では逆転した書き方で出題されることが多いです。