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往復観測と環閉合の違いは?水準測量での点検方法

ソクタ

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「往復観測」と「環閉合」、どっちがどんな方法で点検するのかわかりますか?それぞれの点検方法と使い分けをここで整理します。

この記事の要点

水準測量における往復観測と環閉合の違いを解説します。往復観測は同路線を2回測り較差を確認、環閉合は閉合路線で閉合差を確認する方法です。

往復観測は同じ路線を2回測って較差を確認、環閉合は閉合路線を一周して閉合差を確認する方法です。

ここでは較差・閉合差の意味の違いと点検手順における位置づけを整理します。

往復観測(おうふくかんそく)とは、ある路線を出発点から終点へ向かう往路と、終点から出発点へ戻る復路の2回測量し、それぞれで求めた高低差の差(較差)が許容値以内かどうか確認する観測方法です。

一方、環閉合(かんへいごう)とは、いくつかの観測路線が環状に連結して閉合するとき、その閉合路線を一周した高低差の合計(閉合差)が理論値ゼロに近いかどうかを確認する点検方法です。

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ザックリ言うと、往復観測は「同じ路線を行き帰り2回測る」、環閉合は「出発点に戻る閉合した路線を一周する」やり方です。電卓で計算した金額を「もう一回打ち直して確認する」みたいなイメージです。

往復観測の仕組み

往復観測では、まず往路で A 点から B 点の高低差を測ります。

次に復路で B 点から A 点の高低差を測ります。

理論上、往路と復路の高低差は符号が逆で絶対値が等しくなるはずです。

実際には観測誤差が生じるため、往路と復路の高低差の差(較差)を求め、それが規定の許容値以内であれば観測は合格とみなします。

許容値を超えた場合は再測が必要です。

許容較差の具体的な数値は最新の作業規程の準則で確認してください。

環閉合の仕組み

環閉合では、水準点 A → B → C → A のように出発点に戻る閉合した複数の観測路線を用います。

水準測量の作業方法は、作業規程の準則(下図)で規定されています。

作業規程の準則 第3章 レベル等による水準測量 要旨
出所:国土交通省「公共測量 作業規程の準則」p.30 第3章 レベル等による水準測量 第47条(要旨)

各路線の高低差を合計したとき、理論値はゼロになるはずです。

この合計値を閉合差といい、閉合差が許容値以内かどうかで測量全体の品質を評価します。

環閉合は、往復観測だけでは見抜けない系統的な誤差(特定の路線に偏った誤差)を検出するのに有効です。

往復観測と環閉合の比較

2つの点検方法を比較します。

項目 往復観測 環閉合
意味 同路線を2回測り較差を確認 閉合路線で閉合差を確認
確認する値 往復の較差 閉合路線の閉合差
試験ポイント 較差が許容値以内か判定 閉合差の合計がゼロに近いか

往復観測は1路線ごとの品質管理、環閉合は複数路線のネットワーク全体の品質管理として機能します。

試験で問われやすいポイント

平成30年第13問では、4区間の往復観測データをもとに、較差と許容値を比較して再測が必要な区間を特定する計算問題が出題されました。

「許容範囲 = 2.5mm×√S(S:観測距離km)」という公式を使い、各区間の較差が許容値を超えているかを1区間ずつ計算して判定する形式です。

令和2年第11問でも往復観測後の再測判断が問われており、較差と許容値の大小関係を正確に判定する計算力が求められます。

混同しやすい用語

往復観測と環閉合

往復観測は1本の路線に注目した点検、環閉合は複数の路線が形成する閉合路線全体に注目した点検です。

スケールが異なる2つの点検方法です。

較差と閉合差

較差は往路と復路の高低差の差(同路線2回の比較)、閉合差は閉合路線全体の高低差の総和(複数路線の合計)です。

使う場面が異なります。

試験での問われ方|ソクタの一言

「往復観測の較差が許容値以内かどうか」を数値で判定させる問題と、「環閉合差が規定を満たすか」を確認する問題は別物です。

どちらの文脈で聞かれているかを問題文から読み取る訓練をしておきましょう。

往路と復路の数値が与えられたら較差を計算、閉合路線が示されたら閉合差を計算するという場面の使い分けが重要です。

例題:往復較差と再測の判定(平成30年 測量士補試験 第13問)

水準点A〜Bを4区間に分けて往復観測した結果が下表のとおりのとき、再測が必要な区間はどれか。許容範囲は 2.5mm×√S(Sは片道の観測距離、単位km)とする。

※ この問題は平成30年測量士補試験 第13問の実数値をそのまま使用しています。

区間 往路高低差(m) 復路高低差(m) 距離S(km)
A〜(1) +3.2249 −3.2239 0.50
(1)〜(2) +0.5851 −0.5834 0.36
(2)〜(3) +2.6764 −2.6758 0.36
(3)〜B +2.5446 −2.5432 0.64

選択肢:1. A〜(1) 2. (1)〜(2) 3. (2)〜(3) 4. (3)〜B 5. 再測の必要はない

各区間の較差と許容値を1つずつ計算して比較する。

選択肢1 A〜(1):
較差 = |+3.2249 − 3.2239| = 0.0010m = 1.0mm
許容値 = 2.5×√0.50 = 2.5×0.707 = 1.77mm
1.0mm < 1.77mm → 許容範囲内

選択肢2 (1)〜(2):
較差 = |+0.5851 − 0.5834| = 0.0017m = 1.7mm
許容値 = 2.5×√0.36 = 2.5×0.6 = 1.50mm
1.7mm > 1.50mm → 許容値超過 → 再測必要

選択肢3 (2)〜(3):
較差 = |+2.6764 − 2.6758| = 0.0006m = 0.6mm
許容値 = 2.5×√0.36 = 2.5×0.6 = 1.50mm
0.6mm < 1.50mm → 許容範囲内

選択肢4 (3)〜B:
較差 = |+2.5446 − 2.5432| = 0.0014m = 1.4mm
許容値 = 2.5×√0.64 = 2.5×0.8 = 2.00mm
1.4mm < 2.00mm → 許容範囲内

答え:選択肢2((1)〜(2)の区間)

一問一答

問題:往復観測では、往路と復路で得られた高低差の差を閉合差という。

〇か×か。

答え:×

往路と復路の高低差の差は較差(かくさ)といいます。閉合差は閉合路線で高低差を一周合計したときの値です。

問題:環閉合では、観測路線が環状に連結して閉合していることが前提となる。

〇か×か。

答え:

環閉合は A→B→C→A のように閉合する複数路線に対して行います。往復観測のように1路線だけでは環閉合は成立しません。

問題:往復観測で較差が許容値を超えた場合、そのまま平均値を採用してよい。

〇か×か。

答え:×

較差が許容値を超えた場合は再測が必要です。許容値以内でない観測値の平均を採用することはできません。

まとめ

今回は往復観測と環閉合の違いについて説明しました。

往復観測は同一路線を2回測って較差を確認する方法、環閉合は閉合路線全体で閉合差を確認する方法です。

較差と閉合差は意味が異なるため、どちらの文脈で問われているかを正確に読み取ることが重要です。

閉合差の補正方法についてはこちらの記事も参考にしてください。

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参考法令・規格

  • 測量法(昭和24年法律第188号)
  • 公共測量作業規程の準則(国土交通省)第3章 水準測量
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

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測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

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