ソクタ
「内部標定」と「外部標定」、どっちが先でどう違うかごちゃごちゃになりませんか?それぞれの目的と作業の順序をここで整理します。
この記事の要点
内部標定と外部標定の違いを測量士補試験の視点で整理します。内部標定はカメラのパラメータ確定、外部標定は写真の位置・姿勢を地上座標で決定する処理です。相互標定・絶対標定との関係も解説します。
写真測量の処理手順を勉強すると、「標定」という言葉が何種類も出てきて混乱します。
ここでは内部標定・外部標定それぞれの定義と、処理の順序を整理します。
内部標定とは、カメラの内部パラメータ(主点位置・焦点距離・レンズ歪みなど)を確定する処理のことです。
写真測量の標定処理は「内部標定→外部標定」の順で行われます。
内部標定でカメラの特性を確定してから、外部標定で写真の位置・姿勢を地上座標系に合わせます。
ザックリ言うと、内部標定は「カメラの歪みや焦点距離を補正して写真を正しい形にする」作業、外部標定は「補正した写真を地上の座標系に合わせる」作業です。「写真の補正→地上との対応付け」という2段階です。
内部標定とは、カメラのレンズ系に関する内部パラメータ(内部標定要素)を確定する処理です。
主点の位置・焦点距離・レンズ歪みなどがこれに含まれます。
内部標定は、フィデューシャルマーク(写真の四辺・四隅に刻まれた基準点)を使って写真座標系を確立することで行います。
カメラキャリブレーション(検定)で得られたデータを使用します。
外部標定とは、写真の撮影位置(投影中心のX・Y・Z)と姿勢(ω・φ・κ)という6つの外部標定要素を地上座標系で決定する処理です。
空中写真測量の作業方法は、作業規程の準則(下図)で規定されています。
外部標定はさらに相互標定と絶対標定の2段階に分けられます。
相互標定は隣り合う2枚の写真間の相対的な位置・姿勢を決める処理、絶対標定は標定点(地上基準点)を使ってモデルを地上座標系に位置合わせする処理です。
2つの標定処理の違いを表でまとめます。
| 項目 | 内部標定 | 外部標定 |
|---|---|---|
| 決定するもの | カメラ固有のパラメータ(主点・焦点距離など) | 写真の位置・姿勢(6要素)を地上座標系で決定 |
| 使う情報 | フィデューシャルマーク・カメラ検定データ | 標定点(地上基準点) |
| 処理順序 | 先に行う | 内部標定の後に行う |
内部標定はカメラ自体の特性を確定する処理、外部標定はそのカメラで撮影した写真の地上での位置・姿勢を決める処理です。
順序通りに行う必要があります。
写真標定の処理は「内部標定 → 相互標定 → 絶対標定」の順で行われます。
相互標定と絶対標定はどちらも外部標定の一部です。
主点位置・焦点距離などカメラ固有のパラメータを確定します。
フィデューシャルマーク・カメラ検定データを使います。
隣り合う2枚の写真の相対的な位置・姿勢を決定します。
写真の対応点(パスポイント)を使います。
モデルの地上座標系への位置・縮尺・傾きを決定します。
標定点(地上基準点)を使います。
内部標定・外部標定の区別を直接問う問題はR2〜R6の試験(No.17〜20)では確認されていません。写真測量全体の流れの中で前提知識として必要です。
令和5年第18問(写真地図作成)では「正射変換(中心投影→正射投影への変換)」が出題されており、内部・外部標定を経てはじめて正射変換できるという標定の2段階の意味が問われます。
混同しやすい用語
内部標定 と 外部標定
内部標定はカメラのパラメータ確定(カメラ内部の問題)、外部標定は写真の地上での位置・姿勢決定(カメラ外部の問題)です。
「内=カメラ内部」「外=地上座標系」と覚えると区別しやすいです。
相互標定 と 絶対標定
相互標定は2枚の写真の相対的な位置関係を決める処理、絶対標定は標定点を使って地上座標系に位置合わせする処理です。
どちらも外部標定の一部です。
問題:内部標定とは、カメラの主点位置・焦点距離などカメラ固有のパラメータを確定する処理である。
〇か×か。
答え:〇
内部標定はカメラ内部のパラメータ確定処理です。
問題:外部標定では、カメラのフィデューシャルマークを使って写真座標系を確立する。
〇か×か。
答え:×
フィデューシャルマークを使って写真座標系を確立するのは内部標定です。外部標定では標定点(地上基準点)を使います。
問題:相互標定と絶対標定はいずれも外部標定の一部である。
〇か×か。
答え:〇
外部標定は相互標定(写真間の相対的位置関係の決定)と絶対標定(地上座標系への位置合わせ)の2段階で構成されます。
今回は内部標定と外部標定の違いについて説明しました。
内部標定はカメラのパラメータを確定する処理、外部標定は写真の位置・姿勢を地上座標系で決定する処理です。
標定の流れ(内部標定→相互標定→絶対標定)と各処理で決定するパラメータを整理して覚えておきましょう。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「内部標定は写真の位置・姿勢を地上座標系で決定する処理である」は誤りです。
それは外部標定の説明です。
内部標定はカメラのパラメータ確定、外部標定が位置・姿勢の決定という対応を徹底して覚えておきましょう。