ソクタ
「縦断測量」と「横断測量」、名前が似ていてどっちがどっちか混乱しませんか?測定する方向と目的の違いをここで整理します。
この記事の要点
縦断測量と横断測量の違いを測量士補試験向けに解説。縦断測量は進行方向の高低差、横断測量は直角方向の断面形状を測定します。道路・河川での使い分けも整理します。
縦断は路線の前後方向、横断は左右方向と、測定の向きがまったく違います。
ここでは両者の定義・成果図の違い・試験でよく問われる土量計算との関係を整理します。
縦断測量とは、路線の進行方向に沿って各地点の標高を測定し、路線の縦断面を把握するための測量です。
横断測量は路線の中心線と直角方向(幅方向)の地形断面を測定する測量で、土量計算の基礎データになります。
「縦と横」という言葉の方向感覚で覚えると理解しやすいです。
一言でいうと、縦断測量は「路線に沿った起伏グラフ(縦断図)を作るための測量」、横断測量は「路線と直角方向の断面形状を測るもの」です。どちらも道路・河川設計の基本データになります。
縦断測量は、路線の中心線に沿って各中心杭の標高を水準測量の方法で測定します。
取得した標高データから縦断図(縦断面図)を作成し、勾配の設計・切土と盛土のバランスの検討に使います。
道路であれば「その道路を走ったときに上り坂・下り坂がどう変化するか」を図にしたものが縦断図です。
河川では「上流から下流にかけての河床(川底)の変化」を表します。
横断測量は、路線の中心線に対して直角方向に切った断面の地形を測定します。
路線測量の作業方法は、作業規程の準則(下図)の第5編第2章に規定されています。
一定間隔ごとに横断面のデータを取得し、横断図(横断面図)を作成します。
横断図は切土・盛土の断面積を求めるために使い、平均断面法などで土量計算を行う際の基礎データになります。
道路では「道路断面の左右の地形がどうなっているか」を表し、河川では「川幅の形状(川底・護岸の形)」を表します。
両者の最大の違いは「測定方向」と「成果として作られる図」です。
| 項目 | 縦断測量 | 横断測量 |
|---|---|---|
| 測定方向 | 路線の進行方向(前後) | 路線と直角方向(左右・幅) |
| 成果 | 縦断図(縦断面図) | 横断図(横断面図) |
| 主な用途 | 勾配設計・路線の高さ把握 | 土量計算・切土盛土の断面積 |
どちらも路線の標高に関係する測量ですが、「どの方向を見ているか」で役割が変わります。
令和3年第25問(応用測量:路線測量の正誤)では、横断測量に関する選択肢として「横断方向に引照点杭を設置する」が出題され、正しくは「見通杭」を設置するとして誤りの選択肢となっています(引照点杭は復元用)。
縦断図は勾配設計に使い、横断図は土量計算の断面積に使うという使い分けも路線測量の正誤問題の前提として押さえておきましょう。
混同しやすい用語
縦断測量 ↔ 横断測量
縦断=路線方向(前後)、横断=路線と直角方向(左右)。
縦断図は勾配確認、横断図は土量計算に使う。
縦断図 ↔ 横断図
縦断図は1本の折れ線グラフのような図(路線全体の高さの変化)。
横断図は各測点ごとの断面形状を表した図。
用途が異なる。
問題:縦断測量では、路線と直角方向の断面形状を測定する。
〇か×か。
答え:×
路線と直角方向の断面を測定するのは横断測量です。縦断測量は路線の進行方向に沿って標高を測定します。
問題:横断図は土量計算の断面積を求めるために使われる。
〇か×か。
答え:〇
横断測量で取得した横断面の形状をもとに各断面の面積を算出し、平均断面法などで土量を計算します。
問題:河川測量における縦断測量では、河川の流れ方向の標高変化を測定する。
〇か×か。
答え:〇
河川でも縦断測量は流れ方向(上流から下流)の高低差・河床の変化を測定します。道路と同様に縦断=進行方向です。
今回は縦断測量と横断測量の違いについて説明しました。
縦断測量は路線の進行方向の標高変化を測定して縦断図を作成し、横断測量は路線と直角方向の断面形状を測定して横断図を作成します。
縦断図は勾配設計に、横断図は土量計算に使います。
「縦=前後方向、横=左右方向」という方向感覚で覚えると迷いません。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「路線測量のうち、土量計算の基礎資料となる測量はどれか」という問いには横断測量が正解です。
横断測量→横断図→断面積→平均断面法で土量計算という流れを頭に入れておくと、試験の選択肢の誤りを見分けやすくなります。