ソクタ
「UTMも平面直角座標も横メルカトルって書いてある…結局どう違うの?」と止まっていませんか?2つは“同じ図法・別の規格”という関係です。ここを整理すれば、地図分野の正誤問題がスッと解けます。
この記事の要点
地図投影法は、丸い地球を平面に写す方法で、距離・角度・面積を同時に正しくはできません。日本の地形図はガウス・クリューゲル図法(横メルカトル)。これを国際規格にしたのがUTM座標系、日本独自規格にしたのが平面直角座標系です。性質では「正角と正積は同時に成り立たない」が頻出ポイントです。
地図投影法は地図分野でほぼ毎年出ます。用語が抽象的で覚えにくいですが、「同じ横メルカトルの2つの規格」と「正角・正積・正距の区別」の2点を押さえれば十分戦えます。
地図投影法(ちずとうえいほう)とは、球(楕円体)である地球の表面を、平面の地図に写し取る方法です。距離・角度・面積を同時にひずみなく表すことはできないため、何を正しく表したいかで図法を選びます。
このため、地図は「何を正確に保つか」で分類されます。
一言でいうと、「丸いものを平らに広げると必ずどこかが伸びる」ので、距離・角度・面積の全部は同時に正しくできない、という話です。だから用途別に図法が分かれます。
| 分類 | 正しく保つもの | 代表例 |
|---|---|---|
| 正角図法 | 角度(形) | メルカトル図法・横メルカトル図法 |
| 正積図法 | 面積 | モルワイデ図法など |
| 正距図法 | 特定点からの距離 | 正距方位図法など |
「正角」と「正積」は同時に満たせません。これは頻出の正誤ポイントです。たとえばメルカトル図法は正角ですが、高緯度ほど面積が大きく表れ(グリーンランドが実際より巨大に見える)、正積ではありません。
日本の地形図はガウス・クリューゲル図法で描かれています。これは地球を回転楕円体とした横メルカトル図法(円筒を横に倒して当てるイメージ)で、正角図法の一種です。
特徴は、中央子午線(基準の経線)上では長さが正しく、直線になること。ただし中央子午線から東西に離れるほど距離のひずみが大きくなるため、ひずみが小さい範囲だけを使うよう座標系を分けています。
どちらもガウス・クリューゲル(横メルカトル)図法を使いますが、規格・用途・分け方が違います。
| 項目 | UTM座標系 | 平面直角座標系 |
|---|---|---|
| 規格 | 国際規格(世界共通) | 日本独自規格(測量法) |
| 主な縮尺・用途 | 中縮尺(1/10,000〜1/200,000の地形図) | 大縮尺(1/2,500・1/5,000など公共測量) |
| 分け方 | 経度6度ごとの帯(日本は第51〜56帯) | 全国を19の座標系に分割 |
「広く粗く=UTM(中縮尺)」「狭く精密=平面直角座標系(大縮尺)」と対比で覚えると区別しやすいです。平面直角座標系のくわしい使い方は別記事も参考にしてください。
① UTMと平面直角座標系は「同じ横メルカトル・別の規格」。図法が違うのではなく、規格・縮尺・分け方が違うと理解します。
② 正角と正積は両立しない。「正角かつ正積の図法」という選択肢は誤りです。
③ 中央子午線から離れるほどひずむので座標系を分割している、という理由までセットで覚えます。
混同しやすい用語
UTM座標系と平面直角座標系
どちらもガウス・クリューゲル(横メルカトル)図法。UTMは国際規格・中縮尺・6度帯、平面直角座標系は日本規格・大縮尺・19系。図法は同じで「規格と用途」が違います。
正角と正積
正角は角度(形)を、正積は面積を正しく保つ図法。同時には成り立ちません。メルカトル(正角)は高緯度の面積が誇張されます。
ガウス・クリューゲル図法と横メルカトル図法
ほぼ同義で、地球を回転楕円体として扱う横メルカトル図法をガウス・クリューゲル図法と呼びます。日本の地形図・座標系の基礎になっています。
問題:1つの地図投影法で、角度(正角)と面積(正積)を同時に正しく表せる。
〇か×か。
答え:×
正角と正積は同時には成り立ちません。用途に応じてどちらかを選びます。
問題:UTM座標系と平面直角座標系は、まったく異なる投影法に基づく。
〇か×か。
答え:×
どちらもガウス・クリューゲル(横メルカトル)図法です。違うのは規格・縮尺・分け方です。
問題:平面直角座標系は、全国をいくつの座標系に分けているか。
答え:19系。中央子午線から離れるほどひずむため、地域ごとに分けています。
「正角と正積は両立しない」「UTMと平面直角は同じ横メルカトル」を軸に解けます。
今回は地図投影法とUTM・平面直角座標系について説明しました。
地球を平面に写すと距離・角度・面積は同時には正しくできず、図法は性質(正角・正積・正距)で分かれます。正角と正積は両立しません。
日本の地形図はガウス・クリューゲル(横メルカトル)図法。これを国際規格にしたのがUTM(中縮尺・6度帯)、日本規格にしたのが平面直角座標系(大縮尺・19系)です。
座標の使い方は平面直角座標系の記事もあわせてどうぞ。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
試験での問われ方|ソクタの一言
地図投影法は計算ではなく正誤・知識問題で出ます。狙われるのは「正角かつ正積」「UTM=平面直角座標系」のような“言い切りの誤り”。
「全部は同時に正しくできない」「UTMと平面直角は同じ図法の別規格」「メルカトルは正角・高緯度で面積誇張」。この3つを言えるようにしておけば、たいていの肢を切れます。