ソクタ
「オルソ画像」と普通の空中写真、どこが違うのかわかりますか?オルソ補正の意味と地図として使える理由をここで整理します。
この記事の要点
オルソ画像とは何かを測量士補試験の視点で整理します。空中写真の傾きや地形起伏による変位を補正した正射投影画像で、地図と重ね合わせて使えます。空中写真との違いも解説します。
空中写真をそのまま地図に使えないのはなぜか、疑問に感じる人も多いと思います。
ここではオルソ画像の定義と、空中写真との違い・作成に必要なものを整理します。
オルソ画像(オルソフォト)とは、空中写真の撮影傾きや地形起伏による変位を補正して正射投影した画像のことです。
通常の空中写真は中心投影で撮影されるため、建物が傾いて見えたり高低差のある地形で変位が生じたりします。
オルソ画像はこれらの変位を補正することで、地図と同様に使える画像データになります。
一言でいうと、航空写真の歪みを補正して「真上から見た地図と同じ視点」に変換した画像です。「斜めから撮った写真を、真上から見たように補正したもの。人の顔写真を真正面に向き直させるような変換」みたいなイメージです。
オルソ画像(正射投影画像)とは、空中写真を正射投影に変換した画像です。
正射投影とは、地表面のすべての点を鉛直方向から投影したもので、地図と同じ投影方式です。
オルソ画像の作成にはDEM(数値地形モデル)が必要です。
DEMの地形データを使って空中写真の各画素を補正・変換することで、地形起伏の影響を除いた正確な水平位置を持つ画像が生成されます。
通常の空中写真は中心投影(レンズを通した直線的な投影)で撮影されます。
空中写真測量の作業方法は、作業規程の準則(下図)で規定されています。
このため写真の端になるほど地物が傾いて見え、高い建物は倒れているように写ります。
オルソ画像ではこれが補正されています。
また地形起伏がある場所では、同じ縮尺でも実際の位置がずれて撮影されます。
DEMによる補正で、このずれも修正されます。
2つの画像形式の違いを表でまとめます。
| 項目 | オルソ画像 | 空中写真(補正前) |
|---|---|---|
| 投影方式 | 正射投影(地図と同じ) | 中心投影 |
| 変位 | 傾き・地形起伏の変位を補正済み | 変位あり(端・高所ほど大きい) |
| 地図との重ね合わせ | そのまま重ね合わせ可能 | そのまま重ね合わせ不可 |
オルソ画像は地図と同じ座標系・縮尺で扱えるため、GISデータとの重ね合わせ・地図編集の背景画像として広く活用されています。
令和5年第18問(写真地図作成)では、「正射変換とは数値写真を中心投影から正射投影に変換し、正射投影画像を作成する作業をいう」という選択肢が正しい文として出題されています(正答5: c,eが誤り)。
令和2年第17問(写真地図)では、「写真地図は図上で水平距離を計測することができない」という記述が誤りとして出題されています(正射投影されているので水平距離計測可能が正しい、正答2: a,dが誤り)。
混同しやすい用語
オルソ画像 と 空中写真
オルソ画像は変位補正済みの正射投影画像、空中写真は補正前の中心投影画像です。
オルソ画像は空中写真を加工して作られますが、そのまま地図として使えるかどうかで区別します。
オルソ画像 と DEM
DEMは地形の標高データ(数値地形モデル)、オルソ画像はそのDEMを使って空中写真の変位を補正した正射投影画像です。
DEMはオルソ画像作成の材料であり、別のデータです。
問題:オルソ画像は空中写真の傾きや地形起伏による変位を補正した正射投影画像である。
〇か×か。
答え:〇
オルソ画像は正射投影によって変位が補正された画像です。
問題:通常の空中写真はそのまま地図と重ね合わせて使用できる。
〇か×か。
答え:×
通常の空中写真は中心投影で変位があるため、補正なしには地図と直接重ね合わせできません。オルソ画像に変換が必要です。
問題:オルソ画像の作成には数値地形モデル(DEM)が必要である。
〇か×か。
答え:〇
地形起伏による変位補正にDEMの標高データが必要です。
今回はオルソ画像について説明しました。
オルソ画像は空中写真の傾きと地形起伏の変位をDEMを使って補正した正射投影画像です。
地図と同じ投影方式なのでGISや地図編集で直接活用できます。
「補正済み・正射投影・DEMが必要」という3点を試験の核として覚えておきましょう。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年5月
試験での問われ方|ソクタの一言
「オルソ画像は地形起伏の変位を補正していない」は誤りです。
オルソ画像はまさに地形起伏の変位補正済みの画像です。
「補正済み=オルソ画像」「補正前=空中写真」という対応をしっかり押さえておきましょう。