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「測量で他人の土地に入るとき、通知すればいいの?承諾もいるの?」と、どこまで必要かあいまいになっていませんか?立入りと障害物の除去は要件が別です。場面ごとに整理しましょう。
この記事の要点
測量で他人の土地に立ち入るとき、宅地や柵で囲まれた土地は占有者への事前通知が必要で、立入りには身分証明書の原本を携帯します。障害物の伐採は所有者の承諾が原則です。損失が出たときは国(公共測量は測量計画機関)が補償します。試験で問われる要件を整理します。
測量士補の法規では、現場で他人の土地に立ち入るときの作法が、正誤問題で繰り返し問われます。
つまずきやすいのは、「通知」「承諾」「身分証明書」のどれがどの場面で必要かが混ざってしまう点です。ここを場面ごとに切り分けると、選択肢を一気に絞れます。
基本測量を実施するため必要があるときは、国土地理院の長またはその命を受けた者や委託を受けた者が、国有地・公有地・私有地に立ち入ることができます。
ただし、宅地や、垣・柵などで囲まれた土地に立ち入るときは、あらかじめその占有者に通知しなければなりません(通知が困難なときを除く)。さらに、立ち入る人は身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があれば提示する必要があります。
簡単に言えば、囲まれた土地に入るなら「先に占有者へひと声(通知)」、そして「身分証明書は必ず持つ」という2点が立入りの基本です。
引っかけになりやすいのが身分証明書です。携帯・提示するのは証明書の原本で、コピー(写し)は認められません。令和4年No.2でも、この原本の携帯が問われています。
測量のためにやむを得ず必要なときは、障害となる植物や垣・柵などを伐除(伐採・除去)できます。ただし、原則として、あらかじめ所有者または占有者の承諾を得ることが必要です(第16条)。
ここが正誤問題の定番です。「作業を早く終えたいから」といった自己都合で、承諾を得ずに伐採するのは誤りになります。承諾が先、が原則です。
例外として、山林・原野などで承諾を得ることが困難で、かつ現状を著しく損傷しないときは、承諾を得ないで伐除できます。この場合は事後の通知が必要です(第17条)。
仮設の標識を設けるためなどに必要なときは、占有者に通知したうえで、土地・樹木・工作物を一時使用できます(第18条)。
こうした障害物の伐除や一時使用によって他人に損失が生じたときは、国が、その通常生ずべき損失を補償します(第20条)。補償の金額に不服があるときは、通知を受けてから一定期間内に、収用委員会へ裁決を求めることができます。
「損失は補償されない」「補償は作業機関が個人で行う」といった記述は誤りです。補償の主体を取り違える選択肢に注意してください。
ここまでは基本測量の規定です。公共測量では、これらの立入り・障害物の除去・損失補償の規定が準用され(第39条)、「国土地理院の長」が「測量計画機関」に読み替えられます。
そのため、公共測量で立ち入るときに携帯する身分証明書は、測量計画機関が発行するものになります。平成26年No.2でも、測量計画機関の発行する身分証明書を携帯した対応が正しいものとして出題されています。
| 場面 | 必要なこと | 条文 |
|---|---|---|
| 宅地・囲まれた土地への立入り | 占有者への事前通知+身分証明書(原本)の携帯 | 第15条 |
| 障害物(植物・垣・柵)の伐除 | 所有者・占有者の承諾(原則) | 第16条 |
| 山林原野で承諾が困難なとき | 承諾なしで伐除可・事後通知 | 第17条 |
| 伐除・一時使用で生じた損失 | 国(公共測量は測量計画機関)が補償 | 第20条 |
混同しやすい用語
通知 と 承諾
立入り(囲まれた土地)に必要なのは「通知」(知らせる)です。障害物の伐除に必要なのは「承諾」(同意をもらう)です。
「立入りに承諾が要る」「伐採は通知だけでよい」と入れ替えた選択肢は誤りになります。
身分証明書の原本 と 写し(コピー)
立入りで携帯・提示するのは証明書の原本です。コピーでよいとする記述は誤りです。
公共測量では、その証明書を発行するのは測量計画機関です。
問題:柵で囲まれた土地にある三角点を使うため、作業開始前に占有者へ土地の立入りを通知した。
○か×か。
答え:○
宅地や垣・柵で囲まれた土地への立入りは、あらかじめ占有者へ通知するのが正しい対応です(測量法第15条)。
問題:作業を早く終えたかったので、所有者の承諾を得ずに、障害となる樹木を伐採した。
○か×か。
答え:×
障害物の伐除は所有者・占有者の承諾が原則です。自己都合で承諾なしに伐採するのは誤りです。
問題:立入りの際は、身分を示す証明書のコピーを携帯していれば足りる。
○か×か。
答え:×
携帯・提示するのは証明書の原本です。コピー(写し)では足りません。公共測量では測量計画機関が発行した証明書を携帯します。
今回は測量で他人の土地に立ち入るときのルールを整理しました。
囲まれた土地への立入りは占有者への通知と身分証明書(原本)、障害物の伐除は所有者の承諾が原則です。損失が出たときは国が補償し、公共測量では「国土地理院の長」が「測量計画機関」に読み替わります。
「通知」と「承諾」、「原本」と「コピー」を取り違えないことが、正誤問題を解くカギです。
関連する論点は下記で確認してください。
この論点が出た過去問は下記で解けます。
参考法令・規格
※ この記事の確認日:2026年6月
試験での問われ方|ソクタの一言
法規No.2では「現場対応として適切か」を問う正誤問題で、立入りのマナーが定番です。
承諾を得ずに伐採する、身分証明書を携帯しない、コピーで済ませる、といった記述は誤りです。
「囲まれた土地は通知」「伐採は承諾」「証明書は原本」「損失は国(公共測量は測量計画機関)が補償」をセットで覚えておくと、選択肢を絞りやすくなります。