初心者が学ぶ測量士補

初心者が学ぶ測量士補
  1. HOME > 測量法規 > 測量成果の複製と使用、承認は誰に取る?

測量成果の複製と使用、承認は誰に取る?|国土地理院の長と測量計画機関で迷う人へ

ソクタ

ソクタ

「測量成果の複製」と「使用」、承認を取る相手が国土地理院の長なのか測量計画機関なのか、毎回こんがらがりませんか?見分けるコツは「基本測量の成果か、公共測量の成果か」のひと言です。ここで整理しましょう。

この記事の要点

測量成果の複製と使用は、どちらも事前の承認が必要です。承認を取る相手は成果の出どころで決まり、基本測量の成果なら国土地理院の長、公共測量の成果なら測量計画機関です。複製と使用の違い、承認者の見分け方を法規対策として整理します。

測量士補の法規では、すでに得られた測量成果を「複製する」「使用する」ときの承認が、正誤問題で繰り返し問われます。

つまずきやすいのは、承認を出す相手が問題ごとに入れ替わる点です。ここを「行為(複製か使用か)」と「成果の出どころ(基本測量か公共測量か)」の2軸で整理すると、選択肢を一気に絞れます。

複製と使用は、何をする行為か

まず2つの行為の中身を分けておきます。混同したまま暗記しても、言い換えの選択肢で崩されます。

複製とは、測量成果である地図・図表・成果表・写真などを、そのまま写し取って刊行したり、不特定多数の人が受け取れる状態に置いたりするために複製する行為です。地図をそのまま印刷物やデータとして配る、といったイメージです。

使用とは、測量成果を素材として使い、別の測量を実施する行為です。既存の成果の座標や地図を基にして、新しい測量を行う場合がこれにあたります。

簡単に言えば、複製=成果を「そのまま写して配る」、使用=成果を「材料にして測量する」。どちらも勝手にはできず、事前の承認が要る、という話です。

なお、ここで扱うのは「測量成果」の複製・使用です。後で触れますが、「測量標(基準点などの標識)の使用承認」は別の論点なので、混同しないようにしてください。

基本測量の成果は、承認者が国土地理院の長

基本測量は国土地理院が実施する測量で、その成果を複製・使用するときの承認者は国土地理院の長です。

  • 複製(測量法第29条):基本測量の成果を複製しようとする者は、あらかじめ国土地理院の長の承認を得る。
  • 使用(測量法第30条):基本測量の成果を使用して基本測量以外の測量を実施しようとする者は、あらかじめ国土地理院の長の承認を得る。

条文の番号まで覚える必要はありませんが、「基本測量の成果=承認は国土地理院の長」はそのまま出題されます。令和2年・令和6年の法規No.1でも、この使用承認の文がそのまま正しい選択肢として登場しました。

公共測量の成果は、承認者が測量計画機関

公共測量の成果を複製・使用するときは、承認者が変わります。相手は国土地理院の長ではなく、その成果を得た測量計画機関です。

  • 複製(測量法第43条):公共測量の成果を複製しようとする者は、あらかじめ当該測量計画機関の承認を得る。
  • 使用(測量法第44条):公共測量の成果を使用して測量を実施しようとする者は、あらかじめ当該測量計画機関の承認を得る。

これは基本測量の第29条・第30条と同じしくみを公共測量に当てはめたもので、「国土地理院の長」を「測量計画機関」に読み替えた形になっています。誰の成果かで承認を出す人が決まる、と押さえておくと迷いません。

承認者を1枚の表で見分ける

複製・使用とも、承認者は「成果の出どころ」で決まります。行為そのものでは変わりません。

成果の出どころ 複製の承認者 使用の承認者
基本測量の成果 国土地理院の長(第29条) 国土地理院の長(第30条)
公共測量の成果 測量計画機関(第43条) 測量計画機関(第44条)

複製でも使用でも、承認者は同じ(成果の出どころで決まる)という点がポイントです。「複製は国土地理院、使用は計画機関」のように行為で割り振る選択肢は誤りになります。

混同しやすい「測量標の使用承認」との違い

同じ「使用承認」という言葉でも、測量標の使用承認は別の話です。

測量標の使用承認は、基本測量の測量標(基準点などの標識そのもの)を使うときの承認で、こちらの承認者も国土地理院の長です(測量法第26条)。承認者が同じため正しそうに見えますが、「成果の使用」と「測量標の使用」は対象が別物です。問題文が「成果」を指しているのか「測量標」を指しているのかを必ず読み分けてください。

測量標の使用承認・種類・保護について詳しく

あわせて、作業規程の承認者と混ぜないことも大切です。公共測量の作業規程を定めるときの承認者は国土交通大臣で、成果の複製・使用(測量計画機関)とは別です。「何の承認か」と「誰の承認か」をセットで覚えるのが安全です。

混同しやすい用語

成果の複製 と 成果の使用

複製は成果をそのまま写して刊行・提供する行為、使用は成果を材料にして測量を実施する行為です。

どちらも事前承認が必要で、承認者は同じ(成果の出どころで決まる)点が要注意です。

成果の使用承認 と 測量標の使用承認

成果の使用承認は「測量成果」を使うときの承認、測量標の使用承認は「測量標(標識)」を使うときの承認です。

基本測量ではどちらも国土地理院の長が承認者ですが、対象が別物なので問題文の言葉を読み分けてください。

試験での問われ方|ソクタの一言

正誤問題では「承認者の入れ替え」が定番のひっかけです。

公共測量の成果の複製・使用承認を「国土地理院の長」とする選択肢は誤りで、正しくは測量計画機関です。逆に基本測量の成果を「測量計画機関の承認」とするのも誤りになります。

「基本測量=国土地理院の長/公共測量=測量計画機関」を、複製・使用セットで覚えておくと選択肢を絞りやすくなります。

一問一答

問題:基本測量の測量成果を使用して基本測量以外の測量を実施しようとする者は、あらかじめ国土地理院の長の承認を得なければならない。

○か×か。

答え:

基本測量の成果の使用承認は国土地理院の長です(測量法第30条)。承認者を「測量計画機関」に変えた選択肢は誤りになります。

問題:公共測量の測量成果を複製しようとする者は、あらかじめ国土地理院の長の承認を得なければならない。

○か×か。

答え:×

公共測量の成果の承認者は、その成果を得た測量計画機関です(測量法第43条)。国土地理院の長とするのは誤りです。

問題:測量成果の複製と使用では、承認を出す相手がそれぞれ異なる。

○か×か。

答え:×

承認者は行為(複製か使用か)ではなく、成果の出どころで決まります。同じ成果なら複製でも使用でも承認者は同じです。

まとめ

今回は測量成果の複製と使用の承認について整理しました。

複製も使用も事前の承認が必要で、承認者は成果の出どころで決まります。基本測量の成果は国土地理院の長、公共測量の成果は測量計画機関です。

「成果の使用」と「測量標の使用」、「成果の承認」と「作業規程の承認」を取り違えないよう、何の承認かと誰の承認かをセットで覚えておきましょう。

関連する論点は下記で確認してください。

測量成果と測量記録の違いは?

基本測量と公共測量の違いは?

測量法規の記事一覧

この論点が出た過去問は下記で解けます。

令和6年 No.1(成果の使用承認)

令和5年 No.2(成果の使用承認)

令和3年 No.2(成果の複製・使用)

令和2年 No.1(成果の使用承認)

平成28年 No.1(成果の使用承認)

法規分野の過去問を解いてみる

参考法令・規格

  • 測量法(昭和24年法律第188号)第29条・第30条・第43条・第44条
  • 国土地理院「国土地理院の測量成果の利用手続」
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

Topへ >>

  1. HOME > 測量法規 > 測量成果の複製と使用、承認は誰に取る?