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地心直交座標・ITRF・測地成果2024とは?GNSSのX,Y,Zと日本の位置の基準【測量士】

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GNSSで出る「X,Y,Z」って何?ITRFとか測地成果2024とか、名前が多くて混乱する…

この記事の要点

地心直交座標は、地球の重心を原点にして、位置をX・Y・Zの3つで表す座標です。GNSSは、位置をまずこのXYZで求めます。それを世界共通に実現したものがITRF(国際地球基準座標系)で、日本の世界測地系もこれに基づきます。測地成果2024は令和7年からの最新の成果ですが、改定されたのは主に「標高」で、水平位置(経緯度)は測地成果2011から変わっていません。

名前が3つ出てきますが、つながりはシンプルです。座標の形(地心直交座標)→ その世界共通の中身(ITRF)→ 日本での最新の成果(測地成果2024)、という順に見ていきます。

地心直交座標とは、地球の重心を原点にして、位置をX・Y・Zの3つの数値(3次元の直交座標)で表す座標です。

軸の向きは決まっています。Z軸は北極(自転軸)の方向X軸は本初子午線(経度0度)と赤道が交わる方向Y軸は東経90度の方向です。図で見ると分かりやすいです。

地心直交座標(地球の重心が原点) 赤道 Z軸 北極(自転軸)の方向 Y軸 東経90°の方向 X軸 本初子午線(経度0°)と赤道の交点方向 原点=地球の重心
地心直交座標のイメージ。地球の重心を原点に、Z軸=北極(自転軸)、X軸=本初子午線と赤道の交点方向、Y軸=東経90度の方向。GNSSはこのX・Y・Zで位置を求める。

ふだん地図で使う緯度・経度とは表し方が違いますが、同じ点を、XYZでも、緯度経度+高さでも表せます。GNSSは、衛星との距離から、まずこの地心直交座標(XYZ)で受信点の位置を求め、そのあと緯度経度に直しています。

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ITRF(国際地球基準座標系)とは

地心直交座標は「位置をXYZで表す」というの話です。でも、実際に使うには、原点や軸を世界じゅうでぴったり同じに決めておかないと、国ごとにズレてしまいます。

ITRF(国際地球基準座標系)とは、この地心直交座標を、世界じゅうの観測から実際に値を決めて、世界共通で使えるようにした座標系です。GRS80という楕円体と整合するようにつくられていて、日本の世界測地系もこのITRFに基づいています。

注意したいのは、ITRFの新しい版が公表されても、それだけで日本の基準が自動で切り替わるわけではないことです。日本の測量で使う基準は、測量法や政令で定められています。ここは試験で問われるポイントです。

測地成果2024とは(変わったのは主に「標高」)

測地成果2024は、国土地理院が令和7年(2025年)4月から提供している最新の測量成果です。電子基準点・三角点・水準点などの成果値が新しくなりました。

ここで大事なのが、何が変わったのかです。

測地成果2024で改定されたのは、主に標高です。水平位置(経緯度)は、測地成果2011から変わっていません。

くわしくは、新しいジオイドのモデル「ジオイド2024(JPGEO2024)」を使い、元期を令和6年6月1日として標高を算出し直したものです。長い年月で地殻変動によってたまった標高のズレを直すのがねらいで、標高の変化量は地域により最大で約60cmとされています。楕円体高・標高・ジオイド高の関係を押さえておくと理解しやすくなります。

用語 中身(ざっくり)
地心直交座標 地球の重心を原点に、位置をX・Y・Zで表す座標の「形」。GNSSが最初に出す座標。
ITRF その地心直交座標を世界共通で実現した座標系。GRS80と整合。日本の世界測地系の土台。
測地成果2024 令和7年からの最新成果。改定は主に標高(新ジオイド2024・元期は令和6年6月1日)。水平位置は測地成果2011のまま。

測量士試験での問われ方

地心直交座標とITRFは、測量士の午前(択一)で第2問の定番テーマです。令和2年・令和5年・平成29年などで出題されています。問われ方の中心は、次のような正誤・穴埋めです。

  • 原点は地球の重心、Z軸は北極方向、X軸は本初子午線と赤道の交点方向、Y軸は東経90度の方向(軸の取り方)
  • 日本の位置は、この座標でXがマイナス・Yがプラス・Zがプラスの範囲にある(符号)
  • ITRFの新しい版が出ても、日本の基準は自動では切り替わらない(測量法・政令で規定)

測地成果2024は令和7年からの新しい成果なので、これからの出題で問われる可能性があります。「改定は標高が中心・水平位置は据え置き」という点を押さえておきましょう。正確な年度・問番号は、過去問と国土地理院の資料で確認してください。

よくある間違い

「測地成果2024で経緯度(水平位置)も新しくなった」と思い込むのは、いちばん多い勘違いです。改定されたのは主に標高で、水平位置は測地成果2011から変わっていません。

「ITRFの新版(ITRF2020など)が出たら、日本の基準も自動で切り替わる」も誤りです。日本の基準は測量法・政令で定められているため、自動では変わりません。

地心直交座標の原点を「日本経緯度原点」と取り違えるのも失点のもとです。原点は地球の重心で、日本経緯度原点(東京都港区)とは別ものです。

一問一答

問題:地心直交座標は、地球の重心を原点とし、Z軸を北極方向にとって位置をX・Y・Zで表す。

〇か×か。

答え:

原点は地球の重心、Z軸は北極(自転軸)方向、X軸は本初子午線と赤道の交点方向、Y軸は東経90度の方向です。

問題:測地成果2024では、水平位置(経緯度)が測地成果2011から大きく改定された。

〇か×か。

答え:×

改定されたのは主に標高(新しいジオイド2024・元期は令和6年6月1日)です。水平位置は測地成果2011から変わっていません。

問題:ITRFは、地心直交座標を世界共通で実現した座標系で、GRS80楕円体と整合するようにつくられている。

〇か×か。

答え:

ITRF(国際地球基準座標系)は、地球の重心を原点とする地心直交座標を世界共通に実現したもので、GRS80と整合します。日本の世界測地系もこれに基づきます。

まとめ

地心直交座標は、地球の重心を原点に、位置をX・Y・Zで表す座標です。GNSSはまずこのXYZで位置を求めます。それを世界共通に実現したものがITRF(国際地球基準座標系)で、GRS80と整合し、日本の世界測地系の土台になっています。

測地成果2024は令和7年からの最新成果ですが、改定されたのは主に標高(新ジオイド2024・元期は令和6年6月1日)で、水平位置は測地成果2011のまま、という点が大事です。試験では「軸の取り方」「日本の位置の符号」「ITRFは自動更新でない」「測地成果2024は標高中心」を押さえておきましょう。

座標系や測地成果の話は、独学だと言葉のイメージがつかみにくいところです。仕組みから学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の雰囲気を確かめる手もあります。

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参考(確認日:2026年7月10日)

  • 国土地理院「測地成果2000・測地成果2011・測地成果2024」(測地成果2024=標高成果の改定/ジオイド2024(JPGEO2024)/元期 令和6年6月1日)
  • 国土地理院ほか(国際地球基準座標系 ITRF=地球の重心を原点、X軸=本初子午線と赤道の交点方向、Y軸=東経90度方向、Z軸=北極方向、GRS80と整合)
  • 測量士 過去問(国土地理院)令和2年・令和5年 午前 第2問(ITRF)ほか
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補・測量士試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。測地成果2024やITRFは最新の制度なので、国土地理院の最新資料もあわせて確認することをおすすめします。

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