初心者が学ぶ測量士補

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DOPとは?衛星の配置がGNSS測量の精度に影響する仕組み

ソクタ

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DOPという値、初めて見たとき何の略か全然わかりませんでした。衛星の配置が測量精度に直結するという考え方を確認します。

この記事の要点

DOP(精度低下率)は、衛星の配置がどれだけ精度に影響するかを表す指標です。衛星が空のあちこちに広がっているほどDOPは小さくなり、精度が高い測量ができます。逆に衛星が一か所に固まると、DOPが大きくなって精度が下がります。

PDOP・HDOP・VDOPなど種類がありますが、測量士補の試験ではまずPDOP(三次元位置)の概念を押さえておけば十分です。

晴れた日に屋外で測量していても、衛星の並び方によって精度が変わることがあります。同じ機器・同じ場所でも、時間帯によって結果のばらつきが違う。その理由のひとつがDOPです。

DOP(Dilution of Precision)とは、GNSS測量における「精度低下率」を示す数値で、衛星の幾何学的な配置が測量精度にどれだけ影響しているかを表します。

DOP自体は衛星の位置関係から計算される純粋な幾何学的な指標で、電波の状態や受信機の性能とは独立した値です。

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一言でいうと、衛星の配置が測位精度に与える影響を数値化したものです。衛星が空に均等に広がっているほどDOP値が小さく精度が高くなります。「衛星の布陣が悪いと誤差が大きくなる」というイメージです。

DOPが小さいとき・大きいときの違い

まず、なぜ衛星の配置が精度に影響するのかを考えてみます。

たとえば、迷子になったとき「あそこの交差点」「あのビルの前」「橋のたもと」という3か所からの情報があれば自分の位置を絞り込めます。でも、3か所が全部「駅の北側」という情報だったら、南北はわかっても東西の位置がぼんやりします。

GNSS測量も同じです。衛星が空のさまざまな方向に散らばっていると、互いの情報を組み合わせて位置を精確に絞り込めます。衛星が一方向に固まっていると、その方向の精度は高くても、別の方向のずれが補正しにくくなります。

DOPの値が小さいほど衛星配置が良好で、精度が出やすい状態です。逆にDOPが大きいほど配置が悪く、同じ測量誤差でも最終的な位置誤差が大きくなります。

DOPの種類:PDOP・HDOP・VDOP

DOPにはいくつかの種類があり、それぞれ評価する方向が違います。

種類 正式名称 評価する内容
PDOP Position DOP 三次元位置(水平+高さ)の精度低下率
HDOP Horizontal DOP 水平方向の精度低下率
VDOP Vertical DOP 鉛直方向(高さ)の精度低下率
GDOP Geometric DOP 三次元位置+時刻誤差を含む総合的な指標

GNSSは基本的に地上から上空に向けて衛星を「見上げる」形なので、鉛直方向(VDOP)は水平方向(HDOP)より劣りやすい傾向があります。これは衛星が地平線の下には存在しないため、鉛直方向の情報が水平ほど多方向から得られないためです。

測量士補試験で頻出なのはPDOPです。「PDOPが大きいほど精度が低下する」という関係を軸に覚えておきましょう。

実際の測量でDOPをどう使うか

RTK測量やスタティック測量を行う前に、その日・その時間帯の衛星配置をシミュレーションする「DOP予測」を行うことがあります。

DOPが大きい時間帯を避けて観測計画を立てることで、同じ観測時間でも精度の高い成果を得やすくなります。山岳地帯や高層ビルが密集した都市部では、見える衛星数が制限されるためDOPが大きくなりやすい点も注意が必要です。

具体的なDOPの許容基準は、最新の作業規程の準則を確認してください。

作業規程の準則(下図)では、GNSS観測方法ごとの使用衛星数の標準が定められています。DOP値は使用衛星数・衛星配置と密接に関係しています。

作業規程の準則 GNSS観測方法別 使用衛星数テーブル
出所:国土交通省「公共測量 作業規程の準則」p.20 GNSS観測方法(スタティック法・RTK法等)と使用衛星数の標準

混同しやすい用語

DOP(精度低下率) ↔ 測位誤差そのもの

DOPは「衛星配置が精度に与える影響の大きさ」を示す指標で、測位誤差そのものではありません。実際の測位誤差は、DOPに観測誤差を掛けたものになります。DOPが小さくても受信環境が悪ければ精度は下がります。

PDOP ↔ HDOP

PDOPは三次元位置(水平+鉛直)の総合的な精度低下率、HDOPは水平方向のみです。測量士補試験ではPDOPが出題されやすいですが、「どちらが大きいか」と問われたらVDOPが大きい分、PDOP≧HDOPとなります。

試験での問われ方|ソクタの一言

「DOPが大きいほど精度が高い」。これは誤りです。DOPは「精度低下率」なので、大きいほど精度が下がります。「DOPが小さい=衛星が広く分散=精度がよい」という方向で覚えてください。数値の大小と精度の関係が逆に見えるので、そこで引っかかる人が多いです。

一問一答

問題:GNSS測量においてDOP(精度低下率)の値が大きいほど、衛星の配置が良好で高精度な測量が期待できる。〇か×か。

答え:×

DOPは精度低下率なので、値が大きいほど精度が下がります。衛星が広く分散しているときDOPは小さくなります。

問題:PDOPは、三次元位置(水平および鉛直方向)の精度低下率を示す指標である。〇か×か。

答え:

PDOPはPosition DOPの略で、三次元位置全体の精度低下率を示します。

問題:観測する衛星が空のあちこちに広がっているほど、DOPは小さくなる。〇か×か。

答え:

衛星が多方向に分散しているほど位置を絞り込みやすくなり、DOPは小さくなります。

まとめ

今回はDOP(精度低下率)について整理しました。

DOPは衛星の配置が精度に与える影響の大きさを示す指標で、値が小さいほど精度が高い状態です。衛星が天空に広く分散していればDOPは下がり、一か所に集まっているとDOPは上がります。

「DOPが大きい=精度が低下する」という方向を押さえておきましょう。DOPが小さいほど衛星配置が良好で精度が高い状態です。

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参考法令・規格

  • 測量法(昭和24年法律第188号)
  • 公共測量作業規程の準則(国土交通省)第7章 GNSS測量
初心者が学ぶ測量士補 編集部

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測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

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