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水準測量の最確値、重みのつけ方で迷う人へ|距離に反比例する加重平均の計算

ソクタ

ソクタ

「複数の経路から求めた標高、ただ平均しちゃダメなの?重みって距離そのもの?それとも逆数?」と迷っていませんか?水準測量の最確値は、距離に反比例する重みで加重平均します。順番に確かめましょう。

この記事の要点

複数の経路から新点の標高を求めるときは、まず各経路で標高を計算し、観測距離に反比例する重み(w=1/S)で加重平均します。距離が短い経路ほど信頼が高く、重みが大きくなります。最確値=Σ(w×標高)/Σw。重みの付け方・観測方向の符号・基準値からの差で楽に計算するコツを、過去問の数値で検算します。

水準測量では、1つの新点の標高を、複数の既知点から別々の経路で求めることがあります。

このとき、3つの経路で出た標高が少しずつ違うのが普通です。どれが正しいかではなく、信頼度に応じて重みをつけて平均した値(最確値)を採用します。

なぜ単純平均ではなく「重み」をつけるのか

水準測量の誤差は、観測距離(路線長)が長いほど大きくなります。つまり距離が短い経路ほど信頼でき、長い経路ほど信頼が落ちます

そこで、信頼度を表す重み(軽重率)をつけて平均します。重みは観測距離に反比例(w=1/S)します。距離が2倍になれば重みは半分、というイメージです。

簡単に言えば、近い経路の値を重く、遠い経路の値を軽く見て平均する、ということです。重みは「距離そのもの」ではなく「距離の逆数」である点に注意します。

計算の手順(2ステップ)

STEP1:各経路で新点の標高を出す。既知点の標高に、観測した高低差を足し引きします。「新点から既知点へ」観測した経路は、符号を逆にして(引いて)新点の標高に直すことに注意します。

STEP2:重みをつけて加重平均する。重みは観測距離の逆数 w=1/S。最確値は次の式です。

最確値 = Σ(w × 標高) / Σw

過去問で検算(令和元年No.13)

既知点A・B・Cから新点Pの標高を求めた、令和元年No.13の数値で確かめます。

既知点の標高=A:31.432 m、B:30.739 m、C:34.214 m。観測距離=A経路4 km、B経路6 km、C経路2 km。

STEP1(各経路でPの標高)
A経路:31.432 + 1.092 = 32.524 m
B経路:30.739 + 1.782 = 32.521 m
C経路:34.214 − 1.681 = 32.533 m(P→Cの観測なので引く)

STEP2(重み=距離の逆数)
1/4 : 1/6 : 1/2 = 3 : 2 : 6

基準を32.5 mに置いて、差で計算すると桁が楽になります。
P = 32.5 + (3×0.024 + 2×0.021 + 6×0.033) / 11
  = 32.5 + 0.312 / 11 = 32.5 + 0.0284 = 32.528 m

公式の正答(32.528 m)と一致します。なお令和4年No.12も同じ手順で、重み 1/3:1/2:1/6 を使って最確値30.771 mが求められます。

つまずきやすい3点

①重みは距離の逆数(反比例)です。距離そのものを重みにすると、遠い経路を重く見てしまい逆になります。

②観測の向き(符号)に注意します。「新点から既知点へ」測った経路は、既知点の標高から引いて新点に直します。

基準値からの差で計算すると、大きな桁を扱わずに済みミスが減ります。

混同しやすい用語

重み(軽重率) と 観測距離

重みは観測距離に反比例(w=1/S)します。距離が短い経路ほど重みが大きくなります。

距離そのものを重みにするのは誤りです。

最確値 と 単純平均

最確値は信頼度(重み)を考えた加重平均です。3経路をそのまま足して3で割る単純平均ではありません。

各経路の距離が等しいときだけ、結果的に単純平均と一致します。

試験での問われ方|ソクタの一言

計算の前に、重みの向きを取り違えないことが最大のポイントです。

「重みは観測距離に比例する」「距離が長い経路ほど信頼が高い」はいずれも誤りです。距離が長い=誤差が大きい=重みは小さい、です。

「重みは距離の逆数」「近い経路ほど重い」「基準値からの差で計算」をセットで押さえておきましょう。

一問一答

問題:複数経路から標高の最確値を求めるとき、観測距離が長い経路の重みは大きい。

○か×か。

答え:×

重みは観測距離に反比例(w=1/S)します。距離が長いほど誤差が大きく、重みは小さくなります。

問題:観測距離が 4 km・6 km・2 km の3経路の重みの比はどうなるか。

答え:3:2:6

距離の逆数 1/4:1/6:1/2 を整数比に直すと 3:2:6 です。

問題:各経路の観測距離がすべて等しいとき、最確値は単純平均と一致する。

○か×か。

答え:

距離が等しいと重みも等しくなるため、加重平均は単純平均と同じ値になります。

まとめ

今回は水準測量の最確値(重み付き平均)を整理しました。

各経路で標高を出し、距離に反比例する重み(w=1/S)で加重平均します。距離が短い経路ほど重く、向き(符号)に注意し、基準値からの差で計算すると楽です。

「重みは距離の逆数」をまず固定すれば、あとは足し算で求まります。

関連する論点は下記で確認してください。

水準測量の計算(昇降式・器高式の例題)

往復観測の較差と許容範囲

水準測量の記事一覧

この論点が出た過去問は下記で解けます。

令和4年 No.12(標高の最確値計算)

令和元年 No.13(新点の標高の最確値)

水準測量の過去問を解いてみる

参考

  • 測量士補試験 過去問(令和元年No.13・令和4年No.12)
  • 国土地理院「公共測量作業規程の準則」
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。

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