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GNSS三次元網平均とは?基線ベクトルのN・E・U成分と標準偏差の見方【測量士】

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ソクタ

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GNSSの三次元網平均って、厳密網平均と何が違うの?「N・E・U」とか「標準偏差」って何を見てるの?

この記事の要点

三次元網平均は、GNSSの基線ベクトル(点と点を結ぶ3次元のベクトル)を観測値にして、水平(N・E)と高さ(U)をまとめて各点の位置を求める網平均です。重みは、基線解析で得た分散・共分散行列の逆行列(精度が良い基線ほど重い)。成果では、各点のN・E・U方向の標準偏差で精度を見ます。角度・距離を使う厳密・簡易網平均とは別枠です。

この記事は厳密網平均と簡易網平均の違いの続きで、そこで「別枠」とだけ紹介した三次元網平均の中身を見ていきます。

まず「何を観測値にするか(基線ベクトル)」を押さえ、そのあと重みの決め方・標準偏差の見方へ進みます。

三次元網平均計算とは、GNSS測量で得た基線ベクトルを観測値として、各点の水平位置と高さを、まとめて三次元で最も確からしい値に決める網平均計算です。

厳密・簡易網平均が角度・距離(TS等の観測)を使うのに対し、三次元網平均はGNSSの基線ベクトルを使うのが根本的な違いです。水平と高さを別々でなく、いっしょに(三次元で)解きます。

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基線ベクトルとN・E・U成分

基線ベクトルは、GNSSで同時に観測した2点を結ぶ、3次元のベクトル(向きと長さ)です。基線解析で求めます。この「点と点の位置の差」を、3つの向きの成分で表します。

基線ベクトルの3つの成分 基準の点 U 高さ(上) E 東向き N 北向き
基線ベクトル(点と点の位置の差)は、北向き(N)・東向き(E)・高さ方向(U)の3つの成分で表す。作業規程の準則でも、点検の閉合差はΔN・ΔE・ΔUで判定する。

作業規程の準則でも、点検計算の閉合差はΔN(南北成分)・ΔE(東西成分)・ΔU(高さ成分)で判定すると定められています。Nは南北、Eは東西、Uは高さ、と押さえておきましょう。

重みは「分散・共分散行列の逆行列」

網平均は、たくさんの基線ベクトルのわずかな食い違いを最小二乗法でならします。このとき、基線ごとにどれだけ信頼するか(重み)を付けます。

三次元網平均の重み(重量)には、基線解析で求めた分散・共分散行列の逆行列を用います。分散・共分散は、その基線の誤差の大きさ(分散)と、N・E・U成分どうしの誤差の関係(共分散)を表す数値です。誤差が小さい(精度が良い)基線ほど、逆行列では重みが大きくなります。

基線ごとに解析手法や解析時間が同じでない場合は、水平・高さの分散の固定値を使います。準則ではdN=dE=(0.004m)²、dU=(0.007m)²とされています。高さ(U)の値が水平(N・E)より大きいのは、GNSSが高さの精度で水平に劣りやすいことを表しています。

標準偏差の見方(成果の精度評価)

三次元網平均の結果としては、各点の座標だけでなく、その精度も得られます。精度は、N・E・U方向それぞれの標準偏差(=分散の平方根)で表されます。

標準偏差が小さいほど、その点・その方向の位置が確からしい、という意味です。読むときのコツは2つです。

  • 標準偏差が、求める級の許容範囲に収まっているかを見る
  • U(高さ)の標準偏差はN・Eより大きくなりやすいと知っておく(重みの固定値でも高さの値が大きいのと同じ理由)

点検計算(環閉合差)

平均計算の前に、観測値(基線ベクトル)が良いかを点検します。基線ベクトルでループ(環)を作り、一周して戻ってきたときのズレ(環閉合差)を、許容範囲と比べます。閉合差は、ここでもN・E・U(ΔN・ΔE・ΔU)の成分で判定します。

重複して観測した基線ベクトルの較差(食い違い)も点検します。これらの点検計算の結果は、精度管理表に取りまとめます。

測量士試験での問われ方

三次元網平均・基線ベクトルは、基準点測量のテーマとして、午前(択一)の正誤・計算や、午後の選択科目(基準点測量)で問われます。ねらわれやすいのは次の点です。

  • 三次元網平均はGNSSの基線ベクトルを使う(角度・距離を使う厳密・簡易とは別枠)
  • 重みは分散・共分散行列の逆行列
  • 閉合差・成分はN・E・U(ΔN・ΔE・ΔU)で見る

基線ベクトル成分の計算そのものは基線ベクトルの計算で、電子基準点を既知点にする場合は電子基準点もあわせて確認しておくと理解が深まります。正確な年度・問番号は、過去問で確認してください。

よくある間違い

三次元網平均を、厳密網平均・簡易網平均と同じ列で比べるのが勘違いのもとです。厳密・簡易は角度・距離(TS等)を使う網平均、三次元網平均はGNSSの基線ベクトルを使う別枠です。

重みの取り違えにも注意します。三次元網平均の重みは、分散そのものではなく分散・共分散行列の「逆行列」です。精度が良い(分散が小さい)ほど重みが大きくなります。

「GNSSは高さも水平と同じ精度」と思い込むのも失点のもとです。高さ(U)は水平(N・E)より精度が落ちやすく、準則の分散の固定値でも高さの値が大きく設定されています。

一問一答

問題:三次元網平均計算は、GNSSの基線ベクトルを観測値として、水平と高さをまとめて三次元で平均する。

〇か×か。

答え:

角度・距離を使う厳密・簡易網平均とは別枠で、GNSSの基線ベクトルを使い、N・E・Uをまとめて平均します。

問題:三次元網平均の重みには、基線解析で求めた分散・共分散行列をそのまま用いる。

〇か×か。

答え:×

用いるのは分散・共分散行列の「逆行列」です。精度が良い(分散が小さい)基線ほど重みが大きくなります。

問題:基線ベクトルの環閉合差は、ΔN(南北)・ΔE(東西)・ΔU(高さ)の成分で判定する。

〇か×か。

答え:

作業規程の準則でも、点検計算の閉合差はΔN・ΔE・ΔUで判定し、結果は精度管理表に取りまとめます。

まとめ

三次元網平均は、GNSSの基線ベクトルを観測値にして、水平(N・E)と高さ(U)をまとめて求める網平均です。重みは基線解析で得た分散・共分散行列の逆行列で、精度が良い基線ほど重く扱われます。成果では各点のN・E・U方向の標準偏差で精度を見て、点検は環閉合差(ΔN・ΔE・ΔU)で行います。

厳密・簡易網平均(角度・距離)との違い、重みは分散・共分散の逆行列、成分はN・E・U——この3点を押さえておきましょう。

GNSSの網平均は、独学だと式と用語のつながりが見えにくいところです。体系立てて学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の雰囲気を確かめる手もあります。

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参考(確認日:2026年7月10日)

  • 公共測量作業規程の準則(国土交通省・令和7年)第2編 基準点測量 第43条(平均計算・仮定三次元網平均計算の重量=基線解析で求めた分散・共分散行列の逆行列/分散の固定値 dN=dE=(0.004m)²・dU=(0.007m)²)
  • 同 第42条(点検計算・基線ベクトルの環閉合差 ΔN=南北成分・ΔE=東西成分・ΔU=高さ成分/点検計算の結果は精度管理表に取りまとめ)
  • 測量士 過去問(国土地理院)基準点測量(三次元網平均・基線ベクトル)
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補・測量士試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。三次元網平均の重量や許容範囲の詳細は、作業規程の準則 第2編 基準点測量で確認することをおすすめします。

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