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平成30年 測量士 午前 No.8の解説|重み付き最確値(精度の違う距離の平均=1532.501m)

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平成30年 午前 No.8は、重み付き最確値の計算問題です。精度(標準偏差)の違う4つの測定値を、ただ平均するのではなく、精度のよい測定ほど重くして平均します。最確値の考え方の中心になる論点です。

問題(平成30年 午前 No.8)

4つの異なるトータルステーションで点A・B間の距離を測定し、表8の結果を得た。最確値はいくらか。最も近いものを選べ。

TS測定値標準偏差
TS11,532.491m2cm
TS21,532.500m4cm
TS31,532.548m5cm
TS41,532.514m4cm

選択肢:1. 1,532.495m 2. 1,532.501m 3. 1,532.507m 4. 1,532.513m 5. 1,532.519m

答え=2(1,532.501 m)

重み=1/標準偏差²。基準1,532.500mからの重み付き平均差が+1.31mmなので、最確値は1,532.501mです。

ステップ1:重みを決める(1/σ²)

精度の違う測定値を平均するときは、精度がよい(標準偏差が小さい)ほど重くします。重みは1÷標準偏差²(分散の逆数)です。

TS標準偏差σ重み 1/σ²基準1,532.500からの差d
TS12cm1/4−9mm
TS24cm1/160mm
TS35cm1/25+48mm
TS44cm1/16+14mm

計算を楽にするため、測定値をそのまま使わず基準値1,532.500mからの差d(mm)で計算します。

ステップ2:重み付き平均を計算する

重み付き平均差 = Σ(重み×差) ÷ Σ(重み)。

Σ(P×d) = (1/4)(−9) + (1/16)(0) + (1/25)(48) + (1/16)(14)
   = −2.25 + 0 + 1.92 + 0.875 = 0.545
Σ(P) = 1/4 + 1/16 + 1/25 + 1/16 = 0.25 + 0.0625 + 0.04 + 0.0625 = 0.415
重み付き平均差 = 0.545 ÷ 0.415 = +1.31 mm

ステップ3:最確値に戻す

基準値に、重み付き平均差を足します。

最確値 = 1,532.500 + 0.00131 = 1,532.501 m

選択肢2の1,532.501mと一致します。精度のよいTS1(σ2cm)が−9mm側なので、単純平均(+13.25mm→1,532.513m)より小さい側に引っ張られる、というのがこの重み付けの効果です。

この問題の典型ミス

単純平均してしまうのが定番のミスです。4つをただ平均すると(491+500+548+514)/4の差=+13.25mmで1,532.513m(選択肢4)になり、ひっかけの選択肢になっています。精度の違いを無視してはいけません。

重みは1/σ²(分散の逆数)。σそのものや1/σにしないこと。標準偏差が小さいほど重い、が正しい向きです。

基準値からの差で計算すると桁が小さくて楽ですが、最後に基準値へ戻すのを忘れないこと(+1.31mmを1,532.500mに足す)。

まとめ

平成30年 午前 No.8は、重み付き最確値です。①重み=1/σ² → ②重み付き平均差=Σ(P×d)/ΣP=+1.31mm → ③最確値=1,532.500+0.00131=1,532.501m(選択肢2)です。精度のよい測定ほど重く、が全体を貫くルールです。

重みや標準偏差があいまいな人は、先に最確値の記事で「重み付き平均」を、誤差と較差の記事で「標準偏差・分散」を固めると、この種の問題がすっと解けます。網平均もこの重み付けが土台です。

最確値や重み付き平均は、独学だと重みの決め方でつまずきやすいところです。体系立てて学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の流れを確かめる手もあります。

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参考(確認日:2026年7月11日)

  • 国土地理院「平成30年 測量士試験 問題及び解答例」午前 No.8(問題文・数表は要約引用、正解=2・数値は公表資料で確認)
  • 重み付き最確値(重み=1/標準偏差²=分散の逆数、Σ(重み×値)÷Σ(重み))
  • 測量の誤差論(最確値・重み・標準偏差)
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補・測量士試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。最確値・重み付き平均は、各年度の問題・解答例とあわせて確認することをおすすめします。

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