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令和3年 午後 No.5(応用測量)の解説です。この記事では、計算・記述が問われる問B(路線測量・クロソイド)と問C(用地測量)を扱います。問Bはクロソイド緩和曲線(距離・記述・正誤)、問Cは用地測量の杭の本数・境界測量・資料調査で、いずれも基本式や作業規程の準則にそって解けます。
新しい道路の線形を、直線 → クロソイド緩和曲線 → 円曲線 → クロソイド緩和曲線 → 直線の順でつなぐ。点A・点Bがクロソイドの始点、点P1・点P2がクロソイドの終点(円曲線との境)である。次の条件で、各問に答える。
問B-1 点Aから点Bまでの距離は幾らか(整数)。
問B-2 「緩和曲線を用いる理由」と「クロソイドを採用する理由」を、指定語句(ハンドル/走行軌跡)を使い各50字以内で記せ。
問B-3 クロソイドの性質に関する3つの記述の正誤(誤りは理由も)を答えよ。
出典:国土地理院ウェブサイト「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」(令和3年 測量士試験 午後 No.5 問B)。問題文は要点を要約して引用しています。
問われているのは、点Aから点Bまでの、中心線に沿った距離です。線形は「クロソイド → 円曲線 → クロソイド」なので、それぞれの長さを足せば求まります。
まず、クロソイド1本の長さLを、基本式から求めます。
A²=R×L より、L=A²÷R=80²÷100=6400÷100=64m
クロソイドは前後に1本ずつ(A→P1、P2→B)あり、どちらも対称型で長さは同じ64mです。円曲線部分(P1→P2)は条件より41m。したがって、
A→Bの距離 = 64(クロソイド)+ 41(円曲線)+ 64(クロソイド)= 169m
ここで、円周率πや関数表はこの小問では使いません(座標を出す必要がないため)。「A→Bの距離」を、直線距離ではなく道路(中心線)に沿った長さと読むのがポイントです。問題文が円曲線P1〜P2を「距離41m」と呼んでいるのも、沿線の長さ(弧長)の意味です。
指定された語句を使って、50字以内で2つ書きます。公式解答例は次のとおりです。
① 直線道路と円曲線の間に緩和曲線を用いる理由(語句「ハンドル」)
「自動車の走行時に線形が急に変わることによる急なハンドル操作や乗員への衝撃を与えることを防ぐため。」
② 緩和曲線にクロソイド曲線を採用することが合理的である理由(語句「走行軌跡」)
「自動車が等速走行中にハンドルを等角速度で回転させた場合、走行軌跡がクロソイド曲線となるため。」
なぜこの答えになるかというと、直線(曲率0)からいきなり半径一定の円曲線(曲率1/R)に入ると、曲率が0から1/Rに一気に変わり、ハンドルを急に切ることになって危険だからです。だから曲率をなめらかに増やす緩和曲線を入れます(①)。そして、車が等速で走りながらハンドルを一定の速さで回すと、実際の走行軌跡がちょうどクロソイドになる——だから緩和曲線にクロソイドを使うのが合理的です(②)。
記述のコツは2つ。指定語句(ハンドル・走行軌跡)を必ず答案に入れること、そして字数(50字以内)に収めること。理由を長く書きすぎず、「なぜ→結論」を1文でまとめます。
3つの記述の正誤を判定します。すべてA²=R×Lと、接線角τ=L÷(2R)の関係で説明できます。
| 記述 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| 1. 曲線長が一定のとき、パラメータAを増やすと曲がり方は緩やかになる | ○ | L一定でAを増やすと、R=A²÷Lより曲率半径Rが大きくなる=曲がり方はゆるやか |
| 2. 曲線長が一定のとき、接線角を増やすと曲がり方は緩やかになる | × | 接線角τ=L÷(2R)。L一定でτを増やすとRは小さくなり、曲がり方は急になる(緩やかは誤り) |
| 3. 曲線半径が一定のとき、パラメータAを減らすと曲線長は短くなる | ○ | R一定なら L=A²÷R。Aを減らすとLも小さくなる=曲線長は短くなる |
×の2は、間違っている理由まで書かせる形です。公式解答例は「接線角の値を増やすと曲率半径が小さくなり緩和曲線の曲がり方は急になる」。「緩やか」ではなく「急」が正しい向きだと示せば得点になります。
道路の拡幅に伴う用地取得のため、用地測量を行う。幅16mの道路の中心線と、周辺の地番ごとの境界杭・境界線が図に示されている。次の各問に答える。
問C-1 道路中心線から左右それぞれ12mまで拡幅する場合、区域内に設置すべき中心杭・用地幅杭・用地境界仮杭の本数は幾らか(中心杭の設置間隔は20m、No.10を含める)。
問C-2 境界測量について、ア〜エに入る語句を記せ(「近傍の〔ア〕級基準点以上に基づき〔イ〕により行う。やむを得ない場合は〔ウ〕を設置。ネットワーク型RTK法の単点観測法では作業地域周辺の〔エ〕で整合を確認」)。
問C-3 資料調査の各工程(公図等の転写/土地の登記記録の調査/建物の登記記録の調査/権利者確認調査)に関する記述の正誤(誤りは正しい内容も)を答えよ。
出典:国土地理院ウェブサイト「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」(令和3年 測量士試験 午後 No.5 問C)。問題文は要約。問C-1の図(境界杭の配置)は国土地理院の原本を参照してください。
答え(先に確認)
問C-1:中心杭 8本/用地幅杭 16本/用地境界仮杭 8本
問C-2:ア=4(4級基準点以上)/イ=放射法/ウ=補助基準点/エ=既知点
問C-3:公図等の転写=×/土地の登記記録の調査=○/建物の登記記録の調査=○/権利者確認調査=×
杭の種類ごとに、置き方のルールで数えます。
用地幅杭は「中心杭の本数 × 2(左右)」で出せるのがポイント。中心杭と用地境界仮杭の本数は、図の区域・境界線から数える計数問題です(正確な図は国土地理院の原本で確認)。
作業規程の準則の境界測量(第694条)の規定がそのまま問われます。答えは次のとおりです。
境界測量は、近傍の4(ア)級基準点以上の基準点に基づき、放射法(イ)等により行う。ただし、やむを得ない場合は補助基準点(ウ)を設置して行うことができる。ネットワーク型RTK法の単点観測法では、作業地域周辺の既知点(エ)において整合を確認する。
「4級基準点以上」「放射法」「補助基準点」は準則の条文そのままなので、用語で押さえます。境界測量の基準点は基準点の級と結びつけて覚えると迷いません。
資料調査(準則 第685〜688条)の工程と、作成する書類の名前が問われます。
| 工程 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 公図等の転写 | × | 広範な場合は公図等を調整することなく、公図等転写連続図を作成する。問題の「調整し」が誤り(準則第685条に「調整」の条件は無い) |
| 土地の登記記録の調査 | ○ | 土地調査表を作成して行う(第686条) |
| 建物の登記記録の調査 | ○ | 建物の登記記録等調査表を作成して行う(第687条) |
| 権利者確認調査 | × | 作るのは権利者調査表(第688条)。「土地境界確認書」ではない(それは境界確認で作る書類) |
工程ごとに「作る書類の名前」を対応づけるのがコツです。とくに権利者確認調査=権利者調査表、境界確認=土地境界確認書の取り違えが狙われます。
問B-1で、A→Bを「直線距離」と思ってπや関数表で座標を出そうとするのが最初のつまずきです。ここは中心線に沿った長さの足し算(64+41+64)で済みます。
問B-3では、Aと曲がり方の向きを逆に覚えるミスが定番です。A²=R×Lで、Aが大きい=R大=ゆるやか/Aが小さい=R小=急。接線角τ=L÷(2R)は、τが大きいほどRが小さく急、と押さえます。
記述(問B-2)では、指定語句の入れ忘れと字数オーバーが失点のもと。語句と字数の条件は、書き始める前に必ず確認します。
問C(用地測量)では、工程と作る書類名の取り違えが定番です。とくに権利者確認調査=権利者調査表/境界確認=土地境界確認書の混同に注意。問C-1は、用地幅杭を「中心杭の本数×2」で出せると速く、中心杭・仮杭は図から数えます。
問B(路線・クロソイド)は基本式A²=R×Lが軸で、問B-1はL=A²÷R=64mを2つと円曲線41mを足して169m、問B-2は緩和曲線を使う理由の記述、問B-3はA²=R×Lと接線角の関係で正誤を判定します。問C(用地測量)は、杭の本数(用地幅杭=中心杭×2)と、境界測量・資料調査の準則の規定(第685〜694条)が問われます。
クロソイドや用地測量の基礎があいまいな人は、先に用語解説で固めてから、この過去問で解き方をなぞると効きます。
路線測量の計算や記述は、独学だと答案の書き方でつまずきやすいところです。体系立てて学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の雰囲気を確かめる手もあります。
料金・特典・講座内容は公式で要確認。
参考(確認日:2026年7月10日)
※ この記事の確認日:2026年7月
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答え(先に確認)
問B-1:169m / 問B-3:1=○、2=×(急になる)、3=○
問B-2:①急なハンドル操作や衝撃を防ぐため/②等速走行でハンドルを等角速度で回すと走行軌跡がクロソイドになるため(要旨)