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GISの空間解析とは?オーバーレイ・バッファ・ネットワーク解析【測量士】

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ソクタ

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午後でGISの「空間解析」が出るけど、オーバーレイとかバッファって何をする分析なの?

この記事の要点

空間解析は、位置の情報をもった複数のデータ(GISのレイヤ)を、重ね合わせたり距離で範囲をつくったりして、条件に合う場所や最適な経路を取り出す分析です。代表的なのがオーバーレイ(重ね合わせ)バッファ(一定距離の範囲)空間検索(位置の条件で抽出)ネットワーク解析(最短経路)。測量士の午後では、防災データを使った空間検索などで問われます。

GISには地図を表示する機能だけでなく、データを分析する機能があります。その分析が空間解析です。

難しそうな名前が並びますが、やることは「重ねる・範囲をつくる・条件で選ぶ・経路をたどる」の4つが中心です。ひとつずつ見ていきます。

空間解析とは、位置の情報をもった複数のデータ(レイヤ)を、重ね合わせたり距離で範囲をつくったりして、単独では分からない関係や、条件に合う場所を取り出すGISの分析です。

GISのデータは、道路・建物・区域などが種類ごとの層(レイヤ)に分かれています。空間解析は、このレイヤを組み合わせて新しい情報を導き出します。

レイヤを重ね合わせて条件に合う場所を取り出す 施設のレイヤ 区域のレイヤ 道路のレイヤ 重ね合わせ(オーバーレイ) 条件に合う場所・経路を抽出
GISは、区域・道路・施設などを種類ごとのレイヤに分けて持つ。空間解析は、このレイヤを重ね合わせたり距離で範囲をつくったりして、条件に合う場所や経路を取り出す。

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主な空間解析の機能(4つ)

測量士の試験で押さえたい空間解析は、次の4つが中心です。

① オーバーレイ(重ね合わせ)

オーバーレイは、複数のレイヤを重ね合わせて、情報どうしの関係や、条件に合う場所を取り出す分析です。

重ね合わせ方には種類があります。両方に重なる部分だけを取り出すインターセクト(両方の条件を満たす=AND)、どちらかを含めて統合するユニオン(いずれかを含む=OR)などです。「浸水する区域」と「土砂災害の区域」を重ねて、両方に当たる場所を出す、といった使い方をします。

② バッファ(近接解析)

バッファは、ある地物から指定した距離の範囲をつくる近接解析です。

点・線・面のまわりに、決めた距離のゾーンを発生させます。「駅から500m以内」「川から50m以内」のように、一定の距離の内側・外側を切り分けるのに使います。「何が何の近くにあるか」に答えるのが近接解析で、その代表がバッファです。

③ 空間検索(位置の条件で抽出)

空間検索は、位置の条件で地物を選び出す操作です。

「ある区域の中にある」「ある範囲の外にある」といった位置関係を条件にして、当てはまる地物だけを抽出します。名前や種類などの属性の値で選ぶ属性検索とは違い、位置関係で選ぶのが空間検索です。

④ ネットワーク解析(最短経路・到達圏)

ネットワーク解析は、道路などを線でつながったネットワークとして扱い、最短経路や到達できる範囲を求める分析です。

交差点を点、道路を線として扱います。出発地から目的地までの最短経路(ルート検索)や、一定の時間・距離で行ける範囲(到達圏)を求められます。避難経路の検索や、施設までの行きやすさの評価に使われます。

機能 何をする分析か
オーバーレイ 複数のレイヤを重ね合わせる。両方に重なる場所(インターセクト=AND)や統合(ユニオン=OR)を取り出す。
バッファ 地物から指定した距離の範囲をつくる(近接解析)。「〜から○m以内」を切り分ける。
空間検索 位置の条件(〜の中・〜の外)で地物を抽出する。属性検索とは選ぶ基準が違う。
ネットワーク解析 道路などを線のネットワークとして扱い、最短経路や到達圏を求める。

測量士 午後での問われ方(防災データの空間検索)

令和2年の午後(選択)では、防災のデータを使った空間検索が出ました。ひとつの設問に、いくつもの空間解析がまとめて入っているのが特徴です。

使うデータは、洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域・指定避難所・道路中心線の4つ。処理の中身は、次のようなものでした。

  • 自宅を中心とした半径4kmの範囲内(=バッファ)で、
  • 洪水浸水想定区域と土砂災害警戒区域のにある指定避難所を抽出し(=オーバーレイ・空間検索)、
  • そこへの避難経路を、危険な区域の中にある道路中心線を除いて検索する(=ネットワーク解析)。

「半径○kmの範囲」「区域の中・外」「経路の検索」という言葉が、それぞれバッファ・オーバーレイ・ネットワーク解析に対応します。どの言葉がどの機能かを結びつけられれば、処理の流れを読み解けます。

令和8年の午後でも、ネットワーク解析やバッファ、インターセクト(重なる部分の抽出)などが問われています。正確な年度・問番号は、過去問と国土地理院の解答例で確認してください。製品仕様書・データ品質とあわせて、地図編集・GISの分野として押さえておくと効きます。

よくある間違い

「オーバーレイ」と「バッファ」を取り違えるのが定番のミスです。重ね合わせがオーバーレイ、距離で範囲をつくるのがバッファです。「〜から○m以内」と出たらバッファ、と覚えておくと迷いません。

「空間検索」と「属性検索」の混同にも注意します。位置関係(中・外・近い)で選ぶのが空間検索、名前や種類などの値で選ぶのが属性検索です。

インターセクト(両方に重なる=AND)とユニオン(どちらかを含む=OR)の向きも取り違えやすいところです。「両方の条件を満たす場所」はインターセクト、と結びつけておきましょう。

一問一答

問題:ある地物から指定した距離の範囲をつくり、「〜から○m以内」を切り分ける空間解析をバッファという。

〇か×か。

答え:

バッファは、地物のまわりに指定した距離のゾーンをつくる近接解析です。距離の内側・外側を切り分けるのに使います。

問題:複数のレイヤを重ね合わせ、両方の条件を満たす場所(重なる部分)だけを取り出す操作をユニオンという。

〇か×か。

答え:×

両方に重なる部分を取り出すのはインターセクト(AND)です。ユニオンは、どちらかを含めて統合する(OR)操作です。

問題:ネットワーク解析では、道路を線として扱い、出発地から目的地までの最短経路を求められる。

〇か×か。

答え:

ネットワーク解析は、交差点を点、道路を線として扱い、最短経路(ルート検索)や、一定時間・距離で行ける範囲(到達圏)を求めます。

まとめ

空間解析は、位置の情報をもった複数のレイヤを、重ね合わせたり距離で範囲をつくったりして、条件に合う場所や経路を取り出すGISの分析です。中心になるのは、オーバーレイ(重ね合わせ)・バッファ(一定距離の範囲)・空間検索(位置の条件で抽出)・ネットワーク解析(最短経路)の4つです。

測量士の午後では、防災データを使った空間検索のように、いくつもの機能がひとつの処理にまとめて入ります。「範囲=バッファ」「重ね合わせ=オーバーレイ」「経路=ネットワーク解析」と、言葉と機能を結びつけて押さえておきましょう。

GISや地図編集の分野は、言葉のイメージがつかみにくいところです。仕組みから学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の雰囲気を確かめる手もあります。

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参考(確認日:2026年7月12日)

  • ESRIジャパン「GIS 基礎解説/空間解析」(オーバーレイ解析=地理的な要素を重ね合わせて関係性や新たな発見を導く解析/インターセクト・ユニオン/交通ネットワーク解析=グラフ理論に基づき最短経路・到達圏を求める)
  • ArcGIS ヘルプ「近接解析」(バッファ=入力フィーチャから指定した距離に境界を持つフィーチャを作成/「何が何の近くにあるか」に答える)
  • GIS実習オープン教材「基本的な空間解析」(オーバーレイ=空間データを重ね合わせブール演算で領域を抽出/空間検索=空間オブジェクトの選択)
  • 測量士 過去問(国土地理院)令和2年 測量士 午後 選択No.4(防災データの空間検索)ほか
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補・測量士試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。GISの用語は製品やソフトで呼び方が少し変わることがあるため、過去問の言葉づかいとあわせて確認することをおすすめします。

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