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令和3年 午後 No.4(地図編集)の解説です。この記事では、問A(資料の選択・GIS・総描と転位)、問B(平面直角座標系)、問C(JPGISの応用スキーマ)を扱います。計算より用語と定義が中心で、準則・告示の言葉を正確に押さえるのがカギです。
E市が、地図情報レベル10000の数値地形図データ(基図=2016年の資料)を更新する。利用できる測量成果は表のとおり。
問A-1 基図の道路・建築物の更新に使える資料はどれか(番号)+理由。問A-2 GISのオーバーレイ・ネットワーク分析の機能説明。問A-3 地図編集の総描・転位を行う場合の一般的な原則。
出典:国土地理院ウェブサイト「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」(令和3年 測量士試験 午後 No.4 問A)。問題文・資料表は要約。
基図(地図情報レベル10000・2016年)の道路・建築物を更新するには、①基図より新しく、②地図情報レベルが基図と同等か、それより詳細(数値が小さい)資料を選びます。
| 番号 | 資料・レベル・時期 | 使える? |
|---|---|---|
| 1 | 都市計画原図 2500・2021 | ○ |
| 2 | 写真地図 5000・2014 | ×(基図より古い) |
| 3 | 数値地形図 5000・2019 | ○ |
| 5 | 数値地形図 10000・2019 | ○ |
| 6 | 写真地図 10000・2017 | ○ |
| 7・8 | 数値地形図 25000/管内図 50000 | ×(基図より粗い) |
「レベルが小さい=詳細(大縮尺)」なので、25000や50000は基図10000より粗く、更新には使えません。GISの機能(GIS)や地図編集(総描・転位)は、公式解答例の言い回しをそのまま覚えるのが得点への近道です。
平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)について、次の各問に答える。
問B-1 説明文のア〜カに入る語句・数値。問B-2 投影図法の特徴(横メルカトル図法)。問B-3 縮尺係数とは何か。問B-4 原点からの距離と縮尺係数の関係(キ〜ケ)。
出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」(令和3年 測量士試験 午後 No.4 問B)。問題文は要約。
答え(先に確認)
B-1:ア=19/イ=ガウス・クリューゲル/ウ=0.000/エ=子午線/オ=真北/カ=真東
B-4:キ=中央子午線(中央経線)/ク=1.0000/ケ=1.0001
| 記号 | 答え | 意味 |
|---|---|---|
| ア | 19 | 全国を19の区域(座標系)に分ける |
| イ | ガウス・クリューゲル | 座標系ごとに投影する図法(横メルカトル図法) |
| ウ | 0.000 | 座標系原点の座標値 Y(原点は X=Y=0.000m) |
| エ | 子午線 | X軸は原点で子午線(中央経線)に一致 |
| オ | 真北 | X軸は真北方向を正とする |
| カ | 真東 | Y軸は真東方向を正とする |
ポイントは、X軸が南北(真北が正)、Y軸が東西(真東が正)という、数学のXY(横がX)とは逆の向きです。地心直交座標や地図投影法(UTM)とあわせて整理すると混乱しません。
問B-2(図法の特徴):ガウス・クリューゲル図法は、回転楕円体に適用した横メルカトル図法で、地球上での角度が地図上でも正しく表される(正角図法)。
問B-3(縮尺係数):公式解答は回転楕円体の表面上の微小距離に対する、平面直角座標系の対応する平面上の微小距離の比です。
かみくだくと、縮尺係数は「地図上の長さ ÷ 実際(楕円体上)の長さ」のことです。丸い地球を平らな地図に写すと、実際の距離がわずかに伸び縮みします。その倍率が縮尺係数で、1より小さければ地図上で縮み、1より大きければ伸びているという意味です。
問B-4(距離と縮尺係数):縮尺係数は中央子午線(キ)上の0.9999が最小で、東西に約90km離れると1.0000(ク)、約130kmで1.0001(ケ)になります。中央から離れるほど大きくなります。中央をあえて0.9999(少し縮めた値)にしてあるのは、端のほうで伸びすぎないようにして、座標系全体の伸び縮みを小さく抑えるためです。
問Cは、地理情報標準プロファイル(JPGIS)に基づく応用スキーマ(UMLクラス図)の問題で、地物の親クラス「地物」やステレオタイプ《Feature》の継承、多重度などを読み取ります(C-1の答えは ア=1/イ=0/ウ=0/エ=9/オ=0。UMLの図を読み取る問題です)。
JPGISは、成果データの設計・品質・記述方法のルールで、応用スキーマはデータの構造(クラスと関係)をUMLで定義したものです。JPGISと製品仕様書・品質評価の関係は、次の記事で整理しています。
問B-1で、X軸とY軸の向きを数学の座標と同じに考えるのが定番のミスです。平面直角座標系はX軸=南北(真北が正)、Y軸=東西(真東が正)。数学のxy平面とは縦横が逆、と覚えます。
問A-1では、「地図情報レベルが小さい=詳細」を取り違えないこと。25000や50000は数値が大きく粗いので、10000の基図の更新には使えません。
記述(A-2・A-3・B-2・B-3)は、準則・告示の言い回しをそのまま使うのが得点のコツ。指定語群がある場合は、必ず全部の語句を入れます。
令和3年 午後 No.4は地図編集。問Aは資料の選び方(新しく・同等以下のレベル)・GIS(オーバーレイ/ネットワーク分析)・総描と転位、問Bは平面直角座標系(19系・ガウスクリューゲル図法・X軸真北/Y軸真東・縮尺係数は中央子午線0.9999)、問CはJPGISの応用スキーマです。
座標系や地図編集の用語があいまいな人は、先に用語解説で固めてから、この過去問で言い回しをなぞると効きます。
地図編集や座標系は、独学だと用語の整理でつまずきやすいところです。体系立てて学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の雰囲気を確かめる手もあります。
料金・特典・講座内容は公式で要確認。
参考(確認日:2026年7月10日)
※ この記事の確認日:2026年7月
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測量士の対策
答え(先に確認)
A-1:資料番号 1・3・5・6(理由=測量・調査年月が基図より新しく、かつ地図情報レベルが基図と同等かそれより詳細のため)
A-2:オーバーレイ=複数の異なる地理空間情報のレイヤを重ね合わせる機能/ネットワーク分析=2地点間の最短経路や、複数地点を巡回する最適経路を求める機能
A-3:総描=対象物の形状と相似性を保ち、形状の特徴を失わないように描画する/転位=有形線(河川・道路など)と無形線(市町村界など)が重複・近接する場合は無形線を転位する