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平成30年 測量士 午後 No.4の解説|地図編集・地図投影(図葉数の計算とUTM図法)

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平成30年 午後 No.4は、地図編集(測図)の総合問題です。問A(図郭寸法から地上距離・図葉数・管内図の最大縮尺を求める計算)問B(UTM図法と平面直角座標系問C(地理情報標準のデータ品質要素の3本立て。計算・投影法・品質と守備範囲が広いので、1問ずつ根拠にそって整理します。

問Aの問題(図郭・図葉数・管内図の縮尺)

S市とT市の全域について、縮尺1/5,000(地図情報レベル5000)の数値地形図データを作成する。図郭線は平面直角座標系の原点を基準に、図郭寸法に応じて等間隔に設定する。表4-1に点A〜Hの座標値が与えられる。

問A-1 1図葉の図郭が縦60cm・横80cmのとき、両市の全域を覆う最低必要な図葉数は何枚か。問A-2 点C・点Gが含まれる図葉の左下隅の座標値。問A-3 各市の全域が1枚に収まる管内図(図郭 縦55cm・横40cm、縮尺分母は1,000の倍数)の最大縮尺。

答え(先に確認)

A-1 図葉数=13枚

A-2 点C=(X=9,000m、Y=28,000m)/点G=(X=12,000m、Y=32,000m)

A-3 S市=1/27,000/T市=1/16,000

問A-1:1図葉が地上で受け持つ範囲 → 図葉数

まず、紙の図郭が地上で何m×何mを受け持つかを出します。図郭の紙面寸法に縮尺分母をかけるだけです。

縦(X方向)=0.60m × 5,000 = 3,000m
横(Y方向)=0.80m × 5,000 = 4,000m

図郭線は原点基準なので、X軸方向は「…、0、3,000、6,000、9,000、…」、Y軸方向は「…、0、4,000、8,000、…」の格子線で区切られます。両市が入る範囲は、X座標が9,200〜23,000m、Y座標が24,400〜35,800m。これを覆う格子はX方向5列(9,000〜24,000)×Y方向3行(24,000〜36,000)=15区画ですが、市域にかからない角の区画を除くと、公式解答図で図葉数=13枚です。

「全域を覆う最低必要枚数」なので、市の形にかかる区画だけを数える点に注意します(15区画すべてではありません)。

問A-2:点が含まれる図葉の左下隅の座標

左下隅は、その点を含む格子のX・Yそれぞれ小さい側の格子線です。X方向は3,000mごと、Y方向は4,000mごと(原点基準)。

座標左下隅X(3,000刻み)左下隅Y(4,000刻み)
C(9,200, 31,000)9,00028,000
G(14,000, 33,000)12,00032,000

点C(9,200, 31,000)は、X=9,000〜12,000・Y=28,000〜32,000の格子に入るので左下隅は(9,000, 28,000)。点G(14,000, 33,000)は、X=12,000〜15,000・Y=32,000〜36,000なので(12,000, 32,000)です。

問A-3:管内図の最大縮尺

1市の全域を1枚に収めるので、市域の縦横の広がりを、図郭に収まる最小の縮尺分母で割り出します。縮尺分母は「地上距離 ÷ 図郭寸法」の大きい方(=きつい方)で決まり、1,000の倍数に切り上げます。

S市(点A〜D):X幅=23,000−9,200=13,800m、Y幅=35,000−24,400=10,600m。図郭は縦(X)0.55m・横(Y)0.40m。
X:13,800÷0.55=25,091 Y:10,600÷0.40=26,500 → 大きい方26,500を切り上げて1/27,000

T市(点E〜H):X幅=22,000−14,000=8,000m、Y幅=35,800−29,600=6,200m。
X:8,000÷0.55=14,545 Y:6,200÷0.40=15,500 → 大きい方15,500を切り上げて1/16,000

「最大縮尺=最小の縮尺分母」です。分母が小さいほど縮尺は大きい(=拡大)ので、収まるギリギリまで分母を小さくします。

問Bの問題(UTM図法・平面直角座標系)

問B-1 UTM図法(ユニバーサル横メルカトル図法)についての穴埋め(ア〜サ)。問B-2 平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)についての下線部の正誤(○×と正しい語句)。

答え(先に確認)

B-1 ア=60/イ=ガウス・クリューゲル/ウ=84/エ=赤道/オ=0/カ=500/キ=10,000/ク=0.9996/ケ=180/コ=129/サ=141

B-2 ①×(正:子午線に一致する軸)/②○/③×(正:130kmの地点)

問B-1:UTM図法のしくみ

UTM図法は、地図投影法のうち横メルカトル系の一つです。要点を並べます。

  • 地球全体を経度6度ずつ60(ア)のゾーンに分け、各ゾーンをガウス・クリューゲル(イ)図法で投影する。
  • 適用範囲は北緯84(ウ)度から南緯80度。
  • 原点は赤道(エ)と各ゾーンの中央経線の交点。原点座標は、北半球でN=0(オ)km・E=500(カ)km、南半球でN=10,000(キ)km・E=500km(マイナスを出さないためのオフセット)。
  • 中央経線上の縮尺係数は0.9996(ク)で、中央経線から東西約180(ケ)kmの箇所で縮尺係数が1.0000になる。
  • 日本は第51〜56ゾーンにまたがり、第52ゾーンの中央経線は129(コ)度、第54ゾーンは141(サ)度。

ゾーン幅6度なので、隣り合うゾーンの中央経線は6度ずつずれます(第52=129度→第54=129+12=141度)。中央経線を基準に投影する点が、うちの平面直角座標系(令和3年 No.4)と共通の考え方です。

問B-2:平面直角座標系の正誤

下線部正誤正しい語句
① X軸は各原点で「緯線」に一致×子午線に一致する軸
② Y座標は原点から東側を正
③ 東西「90km」で縮尺係数1.0001×130kmの地点

平面直角座標系のX軸は各系の原点で子午線(南北)に一致します(「緯線」は誤り)。縮尺係数は中央の子午線上で0.9999、そこから東西約90kmで1.0000、約130kmで1.0001と大きくなります。だから「90kmで1.0001」は誤りで、正しくは130kmです。

問Cの問題(データ品質要素)

問C-1 地理情報標準で定められているデータ品質要素・品質副要素についての穴埋め(ア〜キ)。

答え(先に確認)

C-1 ア=完全性/イ=時間正確度/ウ=主題正確度/エ=位相一貫性/オ=相対正確度/カ=時間一貫性/キ=分類の正しさ

問C-1:品質要素は5つ

地理情報標準(製品仕様書・JPGISで使う品質評価の枠組み)では、データ品質要素を次の5つで定義します。

品質要素主な品質副要素
完全性(ア)過剰、漏れ
論理一貫性書式一貫性、概念一貫性、定義域一貫性、位相一貫性(エ)
位置正確度絶対正確度(外部)、相対正確度(オ・内部)、グリッドデータ位置正確度
時間正確度(イ)時間測定正確度、時間一貫性(カ)、時間妥当性
主題正確度(ウ)分類の正しさ(キ)、非定量的属性正確度、定量的属性正確度

「完全性・論理一貫性・位置正確度・時間正確度・主題正確度」の5つを、まず順番で覚えます。各要素が過剰/漏れや外部/内部などに枝分かれする、という構造です。品質評価の手順(直接評価法・間接評価法)は製品仕様書とJPGISの記事にまとめてあります。

この問題の典型ミス

図郭寸法に縮尺分母をかけ忘れて、紙のcmのまま扱うのが定番のミスです。地上距離=図郭寸法(m)×縮尺分母。1/5,000で60cm→0.60×5,000=3,000mです。

管内図の縮尺は「縦・横のうちきつい方(分母が大きい方)」で決まります。片方だけで判断しないこと。また「最大縮尺=最小分母」なので、切り上げの向き(分母を大きくする側)に注意します。

UTMと平面直角座標系は、どちらも子午線(中央経線)を基準に投影する点は共通ですが、ゾーン幅(UTM6度/平面直角は全国19系)や中央の縮尺係数(UTM0.9996/平面直角0.9999)が違います。混同しないようにします。

まとめ

平成30年 午後 No.4は、地図編集の総合問題です。問Aは「図郭寸法×縮尺分母=地上距離」を軸に、図葉数(13枚)・左下隅座標・管内図の最大縮尺(S市1/27,000・T市1/16,000)を求めます。問BはUTM図法(60ゾーン・ガウスクリューゲル・0.9996)と平面直角座標系の正誤、問Cは地理情報標準のデータ品質要素(5つ)です。

投影法や座標系があいまいな人は、先に平面直角座標系の過去問地図投影法の記事で基準を固めてから、この問題で計算をなぞると整理できます。

地図編集・投影法は範囲が広く、独学だと知識が断片的になりがちです。体系立てて学びたいときは、通信講座のサンプル講義で解説の流れを確かめる手もあります。

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参考(確認日:2026年7月10日)

  • 国土地理院「平成30年 測量士試験 問題及び解答例」午後 No.4(問題文・数表は要約引用、正解・数値は公表資料で確認)
  • 平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)/ユニバーサル横メルカトル図法(UTM)の標準的なパラメータ
  • 地理情報標準(JPGIS)のデータ品質要素・品質副要素の定義
初心者が学ぶ測量士補 編集部

この記事を書いた人

初心者が学ぶ測量士補 編集部

測量士補・測量士試験の用語・計算・法規を、国土地理院の公式情報と作業規程の準則に照らして整理しています。地図編集・投影法の計算は、各年度の問題・解答例とあわせて確認することをおすすめします。

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